北極星は明るくて、遠い。
やりたいことを見つける瞬間は、みんな違うと思う。
小学校の時にオリンピックに出たいと言っていた少年が、
中学校では、小説家になりたいと言って、
高校ではテレビ制作をやってみたいと言い出して、
大学生では広告を作りたいと強く思って、
卒業したら銀行で働いている。
これは、一例(ぼくの話)だけど、
みんなはどんな「なりたい人生」を送っているのだろうか。
いろんな数年間を経て、現在どこにいるのか。
コンパスがどこかに消えてしまって、
気づいたら、ぜんぜん違う山を登ってしまっていた。
そんな人が世の中にはたくさんいるのだろう。
途中で、山が違うことに気付いた時に、どうすればいいのか必死に考えた。
1つは、今の山を一生懸命のぼる。今の場所で輝けるように頑張る。
諦めることではなく目標の転換。
もう1つは、一度降りて、登っていた時についた筋肉、知識を利用して、
あたらしい山を登り始める。
ロープウェーなんて無い。向こう側には簡単には渡れない。
自力で登り始めるしかないのだろうなぁ。
すごく不安だ。全然違う山だろうから。
どんな生き物がいて、どんな気候なのかも分からない。
もしかしたら、山には毒ヘビがいるのかもしれない。
怖い。
あらためてコンパスが必要だ。
糸井重里さんの、
「抱きしめられたい」を呼んだ。
目指すべき場所どこなのか、分かったようで分からない。
だけど、この本の中には、自分が毒ヘビと出会った時に、
どう考えてどう向き合っていくのか、そしてどうやって食べるのか。
そんなことがたくさん書いてあった。
そして、今いる山の中でも使えるような話だった。
あぁそうか。
この人は、北極星なんだ。
ぼくが持っていて、方向を確認するコンパスではなく、
空を見上げたら光っている星のような存在。
夜になったら、登るべき場所を照らしてくれる存在。
どこかのおとぎ話のように、顔があって口があって、
夜になると歌声が世界中の山に響き渡る星。
今いる山を登る人にも、
今遠くで見えている山を登りたい人にも、
読んではどうかと思える三四七ページ。
いつか、ロケットも作れるようになって、
会いに行ってみたいと強く思いました。
もしかしたら、自分も誰かの北極星になれるのかも、
って思うのは、おこがましいことかもしれないけど。
たとえば、親になるとか、先輩になるとか、
こうやって何かを書いて発信するということは、
ぜんぶぜんぶそうなのかもれない。
だからこそ、今日も一生懸命歌います。
聴いてください。
「月曜日が憂鬱だぁあ」