得も損もない言葉たち。

日常をひとます、休まず。

あなたのクスッとをください。

銀行員に潜入。7マス目


久しぶりに、銀行員に潜入。

と言いながら、毎日しっかり働いているのですが。


今日は、“男”って話を。




銀行員のカバンは、とても重いです。

特に、ぼくの鞄は格別。


なにを、そんなに入れてるのか?って、

聞かれてないけど教えます。


タブレット(お客様の情報を見るため)

・持ち運びプリンター(手書きでいいだろ)

・業務用ケータイ(電池が全然もたない)

・電卓やら小物(たまに忘れる)

・伝票関係(何枚あるんだってぐらいの種類)

・チラシ(ロビーに捨てられてたら悲しい)

投資信託のパンフレット(いちばん重い)

・汗ふきタオル(これだけは忘れない)


ざっと、こんなかんじ。


ぼくは営業に出てすぐ、

営業カバンの重さで、見事に背筋を痛めました。




軽い気持ちで、カバンを持ってはいけません。


あっ、なんだかややこしい。ごめんなさい。



そんなカバンを抱えまして、自転車にまたがってお客様の家を訪問するわけであります。

(この自転車について、衝撃の事実がわかったのですが、それは8マス目で)



いつものお客様の家へ。

すこしだけ、腰の曲がった独り暮らしのおじいさん。

夏場だし、

熱中症を気をつけてくださいね」ってのを伝えたり、他の話をしたり。



普段は、1人で周っているのですが、

その日はサポートで先輩と一緒に訪問しました。

明るくてきれいな女性の先輩。


ちなみに、ぼくは、

陰気で汗だくの営業です。

かなしいかな。



いつもよりテンションの高い、

78歳のおじいさん。


あれっ、よく見れば、腰もすこし伸びてるぞ。たぶん。


大きな声で話をしている。

ぼくも話に参加する。



楽しい時間(誰にとってか)は、

あっという間で帰ることに。


そしたら、おもむろにお客様が一言。


「いっかい、そのカバンを持ち上げてみるわ!」


えっ。

うーん。5キロ以上はあるぞ。


もし、お怪我なんかされた日にゃ、

ぼくは何と言って上司に怒られたらいいんだろう。


『実は、お客様に営業カバンを持たせたら腰を痛められまして…』


なんで持たせるねん!って怒鳴り声が聞こえてきそうです。



なぜ、こんな事態になったか。

理由はひとつ。

「きれいな女性に、いいとこ見せたい」だろう。



結果はこう。


・ぼくが殿様に刀を差し出すかのように、カバンの底を支える。

・先輩が「すごい」って言う。

・お客様が満足して、カバンを離す。

・ぼくの指が悲鳴をあげる。




いいんだ。いいんだ。

怪我なく終わってよかった。よかった。

ぼくの指がなんだっていうんだ。


そんなことよりも、

気づけたことがあったから良かったのだ。




いくつになっても

男は女にいいところを見せたい生き物




なんというか、

人間味があって、すごく嬉しい気持ちになれた。


おじいさんになっても、関係ない。


何歳になっても、

どんな状況でも、

【かっこつける】ことを忘れたらダメだ。



自分の祖父が、

最期の瞬間に見せた、心の強さを思い出した。

ぼくが家に帰ってくるまで、必死に生きて、会えた瞬間に息を引きとったあの日を。


あれは、【かっこつける】ためだったと勝手に思ってる。

在宅介護をしてるぼくに、

弱い姿を見せるのを悔しがってたから。



うん。


しみったれた話になってしまった。


本当は、男は何歳になっても【スケベ】ってことを書こうと思ってたのに。

エロパワーは消えないってことを、

伝えようと思ってたのに。



夕方は、すこし涼しい。

海の風が、ここまで吹いてくる。


「あのお客さんは、まだまだ元気だろう」


そう思いながら、きれいな女性の先輩と、

いつもの支店へ帰ったのである。

帰り道、ぼくのテンションはいつもより高い。


なぜって?



あぁ、きれいだなぁ。


空。




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つづく。