得も損もない言葉たち。

日常をひとます、休まず。

あなたのクスッとをください。

すこしだけ報告です。

 

ごぶさたしています。中村と申します。

 

 

www.1101.com

 

はじめて、編集というものをしました。

させてもらいました。

 

書くことは、このブログでしか経験が無くて、

まして、対談をまとめることなんて、

未知の世界でとても怖かったです。

 

そっと足を出して、ゆっくり体を入れてみると、

送られてきた音声はとても暖かく、

会話の内容はずっと笑っていられるものでした。

 

ただ、周りの塾生の人に比べると、

勉強しないといけないことだらけで、

昨日と今日は反省をくりかえしています。

 

ぜひ、読んでもらえたらうれしいです。

 

この次の課題は、エッセイとのことで。

それなら、もうすこし、

ここで書いてきたことに近いと思います。

いまはそれに全力です。

 

走ってきます。行ってきます。

 

いいことばかりじゃないけれど、でも、いいこともある。

 

夏がようやく終わった。

来週からはネクタイ着用で、仕事になる。

クールビズという言葉すらなくして、Tシャツで仕事がしたいなぁ。

 

先週はついてなかった。

1年半乗っていた仕事用の自転車が壊れてしまって。

どう壊れたかというと、後輪が破裂したのです。

パンクというより、破裂。自転車屋さんで空気を入れてたら、パンっと。

 

飛びました。あまりの驚きに、後ろへ飛びました。

耳はキーンっとなって、

あぜんとした顔の、自転車屋さんとぼく。

 

電池が2分できれる電動自転車は、

電池が2分できれて後輪が破裂した自転車になりました。

 

支店まで、えっさほいさと自転車を運ぶことになって。

もうめっちゃ重たくて、例のごとく、汗だくでした。

 

で、月末から月初へそのまま突入したわけですが、

なんだかとても疲れてしまいました。

 

からだは、すっごい重くて。まぶたも、すっごい重い。

うつむきながら座っていると、

いつのまにか寝ていて、ボーッとしている日中が増えました。

 

それでも、お客さんの家へ行けば、お昼ご飯があったり、

お土産があったりするので、ありがたい限りなのですが。

 

 

で、いま、ぼくは何を頑張って生きているのか。

どんなことを考えながら、毎日を過ごしているのか。

 

それは、

相場がどうとか、定期の金利がどうとか、

明日の天気がどうとか、稟議書がどうとか、そんなことじゃないんです。

 

 

やさしく、つよく、おもしろく。

 

ほぼ日刊イトイ新聞というwebサイトを、知っていらっしゃいますか?

 

コピーライターだった、糸井重里さんが社長をされており、

たくさんの人をやさしい気持ちにしてきた会社、

『ほぼ日』が運営するインターネットの場所です。

 

ぼくは、いま、そこで「ほぼ日の塾」というものに通わせてもらってます。

 

高校のときに、進学塾へ行きましたが、親に内緒で3か月で辞めました。

でも、いま、ぼくは塾へ通っています。大人になってから。

 

これから年末にかけて、3つのコンテンツを自分で作成して、

ほぼ日という大好きな場所で発表できるチャンスをもらいました。

 

だから、毎日つらくて、ねむたいけど、でも楽しくもあります。

帰り道は、「さぁ、帰って編集するぞ!」と明るくなります。

会社では、ほんと、魚の干物のような眼をしているに、

家では、独り言で「たのしい」とか言ってます。

 

もし、ぼくのブログをたまぁに見てくれている人がいましたら、

ぜひ、ほぼ日にもやってきてください。

大きなwebサイトの片隅で、ちょっとだけ、

ぼくが考えたり、書いたことがのこってるかもしれません。

 

 

「いい時間」を過ごしてもらえるようなものを、

一生懸命考えていきたいです。

 

報告だけになってしまいますが、

でも、

報告したかったんです。

 

いつも、読んでくださってありがとうございます。

このブログのおかげで、いま、ぼくは「たのしい」と独り言ができています。

 

それは、読んでくださる人がいるおかげでもあります。

 

だから、報告したかったんです。

カローラにのって、どこまでも生きたい。

 

 

カローラⅡにのって

買いものに出かけたら

サイフないのに気づいて

そのままドライブ

 

 

 

youtu.be

 

 

トヨタカローラⅡのCMに使われた曲です。

小沢健二さんが歌っていて、軽やかでのどかな雰囲気が伝わってきて。

なんというか、乗ってる時間がすべて日曜日になるような気がしてきます。

こんな、のどかな生活をおくれるなら、車に乗ってもいいなぁ。

できたらカローラに乗りたいなぁ。

そんな気分になりながら、今日も家に引きこもっているのですが。

 

 

 

ぼくは、一応、免許は持っているのですが。

最後に乗ったのが卒業試験の教習車で。

もっぱら助手席が指定席になってる、

典型的なペーパードライバーなんです。

仕事で、車にのったり、原付にのったりしないのかと言われたら、

なんでかそういう縁もなく、

2分で充電の切れる電動自転車にのって仕事をしています。

 

 

電動自転車のって

営業にでかけたら

電池ないのにきづいて

そのまま失速

 

 

というような日常が、ぼくの『電動自転車にのって』の歌詞です。

 

車にもあんまり興味が無くて。

周りがどんな車を買おうか悩んでいるときに、

ドラえもんの原画を買うかどうか、

和田誠さんの画集を取り寄せるかどうか、

真剣になやんでいたりするので。

これからも免許証は身分証明書の域を、なかなか脱出できないのですが。

 

 

一枚のカローラ

 

 

先日、写真のフォルダをなんとなく振り返っていたら、

一枚の車の写真が出てきました。

どうしてぼくが、その車がカローラだと分かったかと言うと、

その車に休日はいつも乗っていたからです。

 

 

おじいちゃんっこだったので、休日はほとんど祖父の家へ。

友達とそんなに遊んだりもせずに、基本的に祖父の運転でどこかへ行ってました。

野球を観に行ったり、いとこの家へ行ったり、近くのゲームセンターへ行ったり、

そんなことを高校1年生まで続けているような、だめな孫だったのですが。

 

 

祖父は、タクシーの運転手をしていたので、

仕事をやめて、今度は孫の運転手をやってることをどう感じていただろなぁ。

でも、いっしょに遊んでる感じはすごいあったんですよ。

 

 

カローラの中では、いつも、カセットテープから昭和の名曲が流れてきてました。

クレイジーキャッツとかも、そこで知ったんですよね。

小林旭自動車ショー歌とか、小学校で歌えてましたし。

阪神タイガースの試合や、大相撲の千秋楽があった時は、

中継が流れてたりもしたんですが。

雑談しながら車を運転するのは、祖父にとっては当たり前だったので、

そこでいろんな話を聞いたりしながら。

 

 

たぶんなんだけど、

ぼくはゲーセンに行く楽しみ、

祖父にはドライブをする楽しみ、

その両方をカローラに乗せていたんだと思うんです。

 

 

ぼくは左のほほに、そばかすみたいなシミがあって。

母親が言うには、助手席にずっと座ってたからだそうで。

たしかに右のほほには無いんです。

ずっと、左からさしこむ太陽光を浴びたからなんちゃうかなぁ。

 

 

 

後ろの席は移動ベッド

 

 

後ろの席には、枕とたくさんの漫画が積んでありました。

水泳をやっていたときに、祖父はたまに迎えに来てくれてたので、

疲れはてたぼくにとって、カローラは移動ベッドでした。

枕をおいて、寝転がって漫画を読む。

BGMは昭和歌謡で、

いつのまにか眠っていて、気づいたら家についている。

 

 

「着きましたで」

 

と祖父は、メーターのついていないカローラを止めてぼくに言うんです。

もちろん、タダ乗りですよね。

で、家に泊まって、また次の日どこかへ出かけてました。

 

 

 

 

動かなくなったカローラ

 

 

祖父は、病気になって、車の運転をやめました。

そうですよね、危ないですから。

ぼくも電車に乗ってどこかへ行くことが増えて、

休日は祖父の家にいるんですけど、

一緒にどこかへ行かなくなって、

お土産を買ってくるような生活でした。

 

 

でも会話は、やっぱり、カローラに乗っていた頃と変わらなくて。

相撲中継になればテレビをつけるし、

高校野球は、試合が終われば球児がかわいそうなので電源を切りました。

 

音楽は、いまもクレイジーキャッツが大好きだし、

自動車ショー歌はカラオケで歌います。

 

 

で、そうだ。思い出したんです。

 

 

 

写真フォルダから出てきた、

さして車に興味のないぼくが撮ったカローラは、

別れの日の姿だったんです。

 

 

祖父が病気になった高校2年から、

つかれて眠ってしまった大学2年生の冬の夜まで。

もうかなりの距離を走ったカローラは、

役目を終えてずっと車庫で休憩していたんです。

 

 

ぼくは、そのカローラに乗りたいなぁと思っていたんですが、

どうやらもう一度いろんなところに連れて行ってもらうには、

難しい状態だったみたいで。

維持費を考えた結果、「おつかれさま」を言う必要があると、

父親が判断しました。

 

 

 

おつかれさん

 

 

 

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この写真は、廃車になるカローラの最後の出発を撮ったんです。

画質は、ごめんなさい。当時の携帯の限界です。

 

 

 

夜に、父親の知り合いの業者の人が来て。

長い間ねむっていたカローラを何とか動かして。

ルームランプをつけてもらって、

ぼくはちょっと遠いところでシャッターをきりました。

「おつかれさん」を言いました。

 

 

片づけをしていると、

いつも使っていた枕と、

こち亀の単行本が5冊も出てきました。

そして、大量のカセットテープも。

ぜんぶ、祖父の字で曲名が書かれていました。

 

 

 

 

カローラと別れてから5年ぐらいになります。

たまたま、写真の中で再開して、

いろんなことを思い出してました。

 

 

 

カローラの中は、高校生のぼくにはちょっとせまかったけど、

でもいろんなものに触れることができたと思います。

音楽、スポーツ、祖父の話、漫画。

で、連れて行ってもらったたくさんの場所。

 

一枚のブレた写真は、大切にしようと思いました。

 

 

 

 

 

最初の歌には、こんな歌詞があります。

 

 

カローラⅡにのって

どこまでも行きたいな

ずっとずっと

どこまでも

道はつづくよ

 

 

 

ぼくが、カラオケで自動車ショー歌をうたって、

こち亀を読んで、大相撲中継をみて、

高校野球は試合が終わったらテレビを消して、

映画は『大脱走』を好んで、

クレイジーキャッツに影響をうけた星野源を聴いて、

まいにちをそれなりに生きていることは、

カローラにのった毎日が、

いまも続いているからなんちゃうかなぁと、

 

そう思っているんです。

 

 

 

祖父はヘビースモーカーでした。

ぼくはたばこを吸いません。

祖父は車の運転が上手でした。

ぼくはペーパードライバーです。

 

運転席と、助手席。

その関係性は、しばらくは変わりそうもないのです。

 

 

 

これからも、

カローラにのって、どこまでも生きたいです。

ぼくはいつまでも、妹には適わない。

 

妹は、ぼくよりもずっと泳ぐのが上手だった。県大会に行けるか行けないかで、結局行けずに夏を終えるぼくとは違って、全国大会に出場していた。

 

ぼくよりもずっと根性があった。練習が嫌でとなりのマクドで寝ている兄をよそに、必死に練習をしていた。

 

ぼくよりもずっと人と話すのがうまかった。やる気もないし、人付き合いも苦手なぼくとは違って、コーチとも友達とも楽しそうに会話をしていた。

 

 

7月のはじめに、妹から突然電話がかかってきた。いつもと変わらない、ふてくされたような話し方で、ぼくに聞きたいことがあると。大学四年生の彼女が、この時期に電話をかけてくるなんて理由は1つしかない。就活にきまっている。

 

 

 

聞きたくなかった。

 

妹が就活に悩んでいることは、母親から聞いていた。何かアドバイスをしてあげてほしいと言われて、直接話すのが嫌で、LINEでやりとりを少しだけした。9月になっても、内定が0だったぼくが、何を妹にアドバイスできるのか分からなかった。まして、泳ぎも、人付き合いも上手で、根性もあって、大学生活も水泳をがんばった妹が、就職活動で失敗する理由が、どうしても見当たらなかった。だから、ぼくよりもずっとがんばって、ずっとしっかりしている妹が、就職活動に負けている話は聞きたくなかった。

 

 

「どうやって就活をしたらええのか分からへんねん」

 

 

はやく就職を決めろと言ってくる父母と毎日けんかをしていること。友達がみんな就活を終えていて、自分だけ決まっておらず焦っていること。面接で、どんな話をしたらいいのか、失敗が続いて分からなくなっていること。

 

駅のホームかと思われる音が後ろで聞こえる中、妹は泣き出した。たぶん、どこかの駅のベンチで泣きながら電話をしてきたんだろう。泣いている妹と、話をしたのは小学生の頃にケンカした以来じゃないかと思う。電話になると、きっとはじめてだった。

 

 

申し訳なかった。

 

 

ぼくの妹には、兄がぼくしかいない。10月になっても就活を続けて、入った会社がつらいと毎日嘆いているぼくしかいない。具体的なアドバイスなんて、ひとつも出てこない。就活のことは、もう消し去りたい過去で、思い出すだけでしんどくなってしまう。面白いことを言ったら内定をもらえるとばっかり思ってて、でも、自分は何もない普通の人だと気づいたぼくの就職活動を、妹にさらけ出したくなかった。

 

最終選考の結果を待っているあいだ、家でずっと仏壇の前で祈って、ならない電話をずっと待ったこと。それだけならまだしも、罰当たりに「なんでやねん」と言いながら、チーンを鳴らすやつを叩きまくったこと。友達に会いたくなくて、家か面接かだけの毎日を何か月も続けて、それだけで4年生のほとんどを消費してしまったこと。いつも誰かのせいにして、独り言で自分をなぐさめていたこと。ぜんぶ、言いたくなかった。でも、言わないと、ぼくが就活について何かを言ってあげることが、何にも無かった。

 

 

言いたかった。

 

 

何かをしてあげたかった。というか、負けるなよと言いたかった。ぼくよりも、ずっと一生懸命に頑張って生きてきたくせに、そんな就活なんてくだらないことに負けるなよと言いたかった。ぼくが練習にも行かず家で寝てるあいだも、あんなにしんどい練習を頑張ってたくせに。友達もいっぱいいるくせに。ケガして、競技者としてはしんどくなってしまったけど、それでも水泳が好きで、こどもを教える時給の低いアルバイトを選んだくせに。毎日楽しそうに大学生やってたくせに。負けるんじゃないよと言いたかった。

 

 

 

「ごめん、どういうことを言えば内定をもらえるかは、分からへん」

 

 

電池の減ってきたスマホを充電器にさして、言いました。そして、どうして妹が就活に負けているのか分からないと伝えた。一生懸命やってきたことがこんなにあるのに、胸張ってひたすら言えばいいんだよと伝えた。

 

「ぼくよりもずっと、一生懸命やってきたやん」と付け足した。まぎれもない事実を伝えた。

 

妹は「うん、うん」と聞いていた。「そんなことないよ」とは言わなかった。言わへんのかいとちょっと思ったことは内緒だ。でも、ぼくが兄として伝えることができるのは、すごいなぁといつも思っていた、妹のこれまでの人生についてぐらいだった。

 

 

「がんばるよ、ありがとう」

 

妹の求めているアドバイスはたぶんできなかったけど、無言の時間がちょっと続いて、電話は終わる。そして、それから連絡はまたパタリと止まりました。その間のぼくはというと、特に気にすることもなく、自分の毎日の生活がしんどがることに精一杯でした。

 

 

 

おめでとうを言いたかった。

 

 

先週の金曜日、平日の昼。妹から電話がかかってきた。そのときぼくは、お客様の家にいて、スマホがブーブー鳴っているのを放置して仕事をしていた。着信を告げる振動がとまって、LINEを通知する振動が2回。

 

 

「内定をもらった!」

 

お客さんの家をでて、スマホを開くと、メッセージとスタンプが届いていた。しばらくして、母親からも連絡がきた。

 

 

「おめでとう!」

 

それだけぼくは返信した。本当は電話して、おめでとうを言いたかったけど、なんだか必死でかっこわるいなと思ったし、うれし泣きされても、それはそれでしんどいなと思ったからだ。ぼくにそんな、重く話をしなくていいよと思っていたし。でも、うれしかった。ぼくよりも一生懸命な妹が、負けなかったことが、ただただうれしかった。

 

 

 

 

 

「さっき連絡があって、ぼくの妹が内定が出たらしいんですよ!」

つぎのお客さんの家で、ぼくは思わず話をした。

 

 

「あらそうなの、ほんならまぁ、お祝いぐらいしてあげないとなぁ」

こんなに話が早く進むのかというぐらい、かんたんに成約につながった。

 

 

その日は何も成果が無くて、もどったら上司に怒られるかぁとか思っていたから、すごく救われた。妹に助けてもらった。

 

 

 

もっと内定をとってほしい。

もっと高望みをしてほしい。

どんどん内定をとって、

どんどん良いことを報告してほしい。

 

そして、その良いことをお客さんに報告して、

ぼくも楽して成約を稼いでいきたい。

 

妹よ、兄のためにもっと頑張ってくれ。

 

 

 

そんな、ダメダメなことを考えながら、ヘラヘラしながら支店に戻った金曜日だった。

ぼくはいつまでも、妹には適わない。

高校二年の夏休みは、ひとより1週間長かった。

 

 

クラスメイトが、まだ抜けきらない休み気分に打ち勝って授業に出ているとき、ぼくは家の近くにある漫画喫茶ドリームにいた。個人で経営しているその漫画喫茶は、小さなビルの2階にあって。いつもやる気の無さそうなおばちゃんが、ひとりで店番をしていた。平日のお昼に行っても、補導されるでもなく、制服で行っても何も言わずブース席へ案内してくれた。帰るときには、次回の割引券もあった。で、次の日にすぐ、その割引券を使った。そして、また割引券をもらった。「学校へ行かないとなぁ」って思いながらも、気づけばドリームで『将太の寿司』を読んでいた。

 

 

とにかく、学校へ行くのが嫌だった。なつやすみが終わっても、ずっと、なつやすみでいたかった。だから、とりあえず、人よりも長い休みにすることに決めた。学校へ行くふりをして、自転車は駅前のドリームへ向かう。担任の先生から電話がかかってきそうな夕方に、家へ帰ってきて、築き上げたしんどそうな声で対応する。明日はちゃんと行こうと思って眠っても、目が覚めたら、もう今日は休もうと家を出る。

 

 

将太の寿司』の続きが読みたい。究極の寿司職人 大年寺三郎太と、主人公 将太の料理対決がみたい。割引券をつかって、ボーッとリクライニングに座って寿司漫画を読んだ、延長戦のなつやすみだった。ほんと面白いんですよ、この漫画。もう学校なんて行かなくても、寿司がどれだけ洗練された料理なのか学びたいと思った。どんな困難にも、努力と天才的発想で乗り越えていく将太の姿を見守っていたかった。

 

 

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誰にも何も言われず、フローズンと漫画の生活をつづけた3日目に、母の携帯に先生が連絡した。家に帰ると、激怒して早帰りした母が、まだ明るい時間に晩ごはんの準備をしていた。なぜ学校へ行かないのか、どうしてなにも相談しないのか、嘘をついて何処へ行ってたのか。母は、続けざまにいくつも質問をぼくにした。でも、そんなに特別な理由がなかった。あるとしたら、将太と佐治安人のサバを使った、光り物対決が気になって仕方ないぐらいだった。すごいんですよ。知ってます?関サバって。黄金のサバって。お米の洗い方に、拝み洗いってあるんですよ。タコは大根でなぐって煮込むと、すごい柔らかくなるんですよ。小豆とかもいいです。お茶っ葉もいいです。

 

 

 

 

9月1日は、子どもの自殺がいちばん多いらしい。

 

ニュースで読んだ。気持ちも分からなくはない。いじめにあってる子だったら、そりゃ最悪な月初ですよね。二度と顔を見たくない人と会わないとダメだし、学校は守ってくれないですもんねぇ。登校するというのは、すごく力がいることだし、クラスにいることは、すごく心が苦しいことだろうなぁ。

 

そうだよ、ドリームへ行けばいんだよ。個室にこもって、フローズンを食べながら、『将太の寿司』を1巻から最後まで読んでほしい。読み終わったら、全国大会編を1巻から最後まで読んでほしい。すごく面白くて、学校に行きたくない理由が「読みたい漫画があるから」になるから。

 

 

学校に行きたくない理由を、嫌いなやつのせいにするのはもったいない。

 

 

いまごろ、絶望的な気持ちで夏休みをすごしている人がたくさんいると思うんです。ぼくも、もう四捨五入したら30歳になる立派なおとなですけど、それでも会社の夏休みが明けた月曜日は絶望していました。でも、仕事が嫌とか、上司と会いたくないとか言いたくないんですよね。「どうしても、観たい映画があるから」「もっともっと、夜中までラジオを聴いていたいから」そんな理由で、会社に行きたくないと叫びたい。

 

 

何が言いたいか、ごちゃごちゃしてきました…。

 

 

どうせ嫌なことなら、自分の好きなことを理由に、拒否してみたらいいんじゃないかと思うんです。こんなに、世の中に楽しい物とか、面白い物とか、かわいいアイドルとかがいるのに、自分が好きなものでもっとワガママを言えばいいと思うんです。

 

「嫌いな人たちがいるから学校に行きたくない」と言うよりも、「将太の寿司のつづきが読みたいから学校に行きたくない」と言ってやったらいいんです。イジメられていようが、何もやる気がなかろうが、せめて、好きなものを理由にしてあげないと、自分がかわいそうじゃないですか。すごい面白いんですよ、全国大会編も。将太のクラスメイトに、すげぇ性格の悪いやつがいて、いっつも邪魔するんです。市場の魚をほとんど買い占めされたりするんです。それでも将太は負けないんですよね、あきらめない。

 

 

「将太の寿司 敵」の画像検索結果

 

 

で。

 

ぼくが一週間夏休みを延長して、何を得たのかと言われたら、とくにありません。お寿司をうまく握るための知識と、フローズンは食べ過ぎたらおなかを壊すことを知ったぐらいです。みんなが勉強しているときに、うたた寝したり、親に怒られたりしてました。何一つ、おすすめなんてできません。本当はちゃんと学校に行って、勉強して、内申点を上げたほうが絶対いい。

 

 

でも、それでも、やっぱり学校に行くのがちょっとしんどいなぁと思った人は、漫画喫茶に行ってください。できればドリームという店を探してください。やる気のなさそうなおばちゃんに、個室ブースを依頼して、フローズンを食べながら漫画を読んでください。もちろん、何を読むのかわかってますよね。

 

 

 

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寿司を食べれないから興味がないとか、漫画は読まないとか、そんなお金がないとか、近所にドリームが見つからない人は、もっと楽しい何かをたくさん探してください。YouTubeみて、大好きなアーティストを増やしてみるとか、あこがれる人を見つけて、その人に近づくためにできること探すとか。今ならまだ、間に合います。

 

 

夏休みを延長するなら。学校をちょっとサボるなら。どうせなら、好きなことをしよう。その好きなことは、たぶんだけど、学校の先生から両親に電話がかかってきて、無理やり学校へ行かないとダメになって、本当の気持ちを誰にも相談できなくなったときに、絶対に自分を助けてくれるものになると思うんです。

 

 

ちなみに、将太の苗字は、関口です。

あと、柏手のヤスという人にも注目ですよ。

ぼくはエビ対決の下山が好きなんですが。



いい夏休みを、延長してください。

元気出して、サボろう。

 

百貨店の地下街には、かっこいい大人がいた。

 

大学生活で、アルバイトをいくつか経験した。

 

家庭教師は向いてなかったみたいで、3か月経ったある日、「すいません、来週から夏季講習に通います」と事実上の解雇を宣言された。

 

そのあと、警備の派遣バイトをやった。時給1000円で休憩が1時間に1回あると聞いて、最高だった。はじめての現場で、運転免許も持っていないのに観光バスの誘導を命じられた時は絶望だったけど。神戸ルミナリエの警備では、お子様をかたぐるましているパパを注意する仕事をした。なでしこジャパンが、ワールドカップで優勝した年、澤選手たちをフーリガンから守る警備もあった。結局、なでしこのファンはとてもマナーがよく、ぼくは1人で誰もいない広場に立ちつづけてお金をもらった。19歳で、神戸の成人式の警備もした。自分より、確実に年上の人を注意していいという特権も貰ったにもかかわらず、そんな出番は来ず、きれいな女性の振袖姿をさがしてお金をもらった。

 

 

それからしばらくして、大学の先輩の紹介で、しっかりとシフトを出してタイムカードを押すバイトをはじめた。それが、百貨店のお肉屋さんでの接客販売だった。地下にある食品街で、透明なケースに入った高そうな牛肉、豚肉を量って販売する仕事。時給は下がったけど、とにかく忙しいお店だったから、時間が過ぎるのがとても早かった。3年間続けたことで、手の感覚は成長し、グラム誤差を5g以内で、一発で量ることができるようになった。

 

 

アルバイトをするってことは、誰かに雇われるということです。現場に行けば、たくさんの大人がいるし、百貨店の地下街も大人の社会でした。たくさんの大人に出会って、いちはやく『コンプライアンス』という言葉を耳にするような経験をしたし、煙草を吸って絶望のような顔をした人生の先輩を見てきたわけで。でも、お肉屋さんで出会った店長はとても良いひとでした。正しく言うと、2人目の店長が良い人でした。

 

 

「ちゃんと飯食ってるの?」

「光熱費払ってる?」

 

 

はじめて店長にご飯を連れて行ってもらった日は、まったく覚えていない。だけど、基本的にラストまで仕事をした日は、かならず店長とご飯に行った。もちろん、頻繁に電気が停まるような生活をしていたので、ぼくがお金を出すことは一度もなかった。実家から送られてきた、10㎏のお米を家まで持ってきてくれたり、お肉をご馳走してくれたり。金欠で、コンビニに行くお金がないとき、黒毛和牛のステーキを食べて学校へ行くような訳のわからない学生生活を過ごしました。

 

 

ぼくがコピーライターを目指していると聞いたら、百貨店のチラシの言葉を書く仕事をくれたこともあった。渾身の1行は、きれいに赤ペンでありきたりな言葉に変えられて「ありきたりじゃないと、お客さんは買わないよ」と笑われたり。大量のステーキ肉を渡されて、「これ全部売ったら、晩飯にステーキ食えばいいじゃん」なんて煽られて、晩ごはんは豪華な外食だったり。

 

 

先日、店長と2年ぶりに会った。いまは、ちがうお店に移動していらっしゃるようで、会議でこちらに来ていたそうだ。お誘いを受けた時点で、おごってもらえることは分かっていたのですが、分かっていながら喜んでいける大人って就職してからもいないなぁと思ったりしながら、大阪駅で待ち合わせ。

 

 

「ちゃんと飯食ってるの?」

「光熱費払ってる?」

 

 

会ってすぐに、あの頃とまったく同じ質問を店長はしてきた。「一応、収入はあるので…」と苦笑いしながら返すと、そりゃそうかと悪い笑いをしてはった。お寿司がいい?と聞いてきたのは、ぼくがバイト中にいつも「肉より、魚のほうが好きなんです」とぼやいていたから。相変わらず、なんでも言えるような雰囲気で、結局なんだかんだで数時間後お話をさせてもらった、もちろん、ご馳走になって。

 

 

「そういえば、マスコミ志望だったもんねぇ」

 

 

仕事の話をいろいろしていると、就活時代の話になった。岡山の放送局を受けるとき、交通費がないぼくに「岡山の友だちに会いに行くからさぁ」と車に乗せて連れてってくれたことがあって。その日の晩は、岡山の魚屋さんの店長と、店長とぼくでご飯を食べるという変な組み合わせでご馳走になった。結局、就活はぜんぜんうまくいかなくて、何か月かバイトを休んでいたが、卒業前に復活したときには、また頻繁にご馳走になった。

 

 

ノルマに追われていた店長だったけど、一度もぼくたちにそのプレッシャーは出さず、それなりに仕事をすることだけを求めてくれた。だからこそ、ステーキは全部売ろうと思ったし、雑談するのがすごい楽しかった。「それなり」という力加減を、ぼくに教えてくれたのは店長でした。頑張りすぎず、のらりくらりでも生活は続くし、それで楽しいならいいじゃないのという生き方。

 

 

いま、ぼくは、毎日ノルマに追われている。できるわけのない数字を課せられ、変なプレッシャーをかけられて仕事をしている。同期の子は、パワハラを受けて、何人も会社を辞めた。のらりくらりで、やっていけない状況の子もたくさんいるのだ。店長だって、たまにボロクソに電話で怒られている姿を見た。

 

 

「やる気あんのか?って聞かれたんだよ。あるわけないじゃんか~」

 

 

関西の人じゃないので標準語に近いイントネーションで店長は笑う。ぼくも、対等の立場(おごってもらってるけど)で話をできるようになった。バイトと店長という関係とは、また違った関係性で仕事について話す。ふだん、ぼくがどんな営業をしているのか、上司はどんな人で後輩はどんな子か話す。

 

 

 

「いっつも、誰かにごはんご馳走してもらってるじゃん」

 

 

関西の人じゃないので標準語に近いイントネーションで店長は爆笑した。たしかに、ぼくはいつも誰かにごはんを食べさせてもらっている。営業をしていても、お客さんの家でお昼ご飯をご馳走になるし、お土産があったりだってする。誰かに助けてもらって、生きていると実感する。お肉屋さんで働いていた頃と、誰かにしてもらっていることは変わらない。

 

 

「よかったんじゃないの?うちでバイトしてて」

 

 

ぼくもそう思った。たくさんの大人と接することで、嫌な思いもいっぱいしたけど、良い大人にも出会った。お肉を切る職人さんにもかわいがってもらって、卒業祝いに大量の使わなくなったネクタイをもらったし、パートの女の人には旦那さんが着なくなった服をもらった。父親が着ていますが…。人当たりが良かったら、もっと就活がはやく終わっていたはずなので、理由はよく分からないけど、運が良かっただけなのかもしれないけど。でも、コミュニケーションを大切にするということを、お肉を量りながらぼくは学んでいたのかもしれない。店長に教えてもらったのかもしれない。

 

 

 

「お前はさぁ、とにかく今の営業のことを本にして、放送作家になれよ」

 

 

二軒目に行った、落ち着いた珈琲をグイと飲み干して、店長は立ち上がった。お酒は、ぼくがあんまり得意ではないので、いつも食べ物がおいしい場所か、静かな場所に行くことが多い。店長は、転職する気はないみたいだが、ぼくにはやりたいことをやれと言った。親でもないから、言いやすいのかもしれないけど。だけど、割り切って仕事をしてプライベートを楽しめとは言わなかった。お前の夢なら、どうやって近づけるか考えたらいいし、お前は面白いからやれるんじゃないのかと、「それなり」のテンションで話をして。また遊ぼうと、言って。

 

 

 

「売り場にさぁ、友達がいないんだよ。

 バイトに波瑠に似たかわいい子がいたんだけどさぁ、

 卒業しちゃってさぁ。

 いまはシフトにうるさいはおばさんしかいないんだぁ~」

 

 

頭を抱えながら、苦笑いしながら伝票を持ってレジへ行く。もちろん、ご馳走になって。ぼくは神戸行きの電車に乗って、店長は北陸行きのサンダーバードで北陸へ帰って。

 

 

ぼくが大学時代に出会ったいちばん信用できる大人は、

かっこいい人です。

「劇場版 ぼくと夢の国」 

 

幼稚園のころに、はじめてディズニーランドへ行った。連れて行ってもらった。母に起こされたら、布団で寝たはずが、なぜか車の中にいて。「まっすぐ見ときや~」と父に言われて、高速道路をぼーっと眺めていた。どこにいるのか、なぜ車の中にいるのか、何もわからずしかも眠たい。しばらくして、ぼくの目の前に現れてきた建物が、シンデレラ城であると気づいて、驚きはしゃいだ。

 

 

「え、ディズニーランド?」と聞いたら、

「ちがうで似たような建物やで」と父は言った。

 

 

あの時は、何がなんだか分からなかったけど、きっと父も母もニヤニヤしていたに違いない。なんてたって、前日に一緒にディズニーランドの雑誌を読んでいたからだ。どんな乗り物があるかとか、ミッキーの家がどうとか。とにかく、「ディズニーランドに行きたい」と叫んだ覚えがある。しっかりと、ネタふりをした上で、布団で就寝したぼくをこっそり車に乗せて、夢の国まで運んできたのだ。あの頃の、ふたりの顔や会話を知りたくて仕方ない。ぼくが寝ているあいだ、どんな会話をしていたんだろう。そういう意味では、100点満点のリアクションをした自信がある。

 

 

 

 

 

なつやすみ、神奈川県川崎市。JR登戸駅から出るバスに乗って、となりの席に座った家族を見て、ぼくはディズニーランドにはじめて連れて行ったもらったことを思い出していた。

 

 

ドラえもんがいっぱいなんだよね!」

「これパーマンでしょ?」

「あっ、あっちはコロ助だ~」

 

 

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パーマンで統一された夢のようなバスは、たくさんの家族連れとウキウキのぼくを乗せて進む。「いまから通る橋には、ドラえもんが隠れているんですよ~」運転手さんの案内で、みんなが窓の外を見た。ぼくも、ドラえもんを探す。そして、わぁ~とみんなで言う。

 

 

10分ほどバスに揺られて、徐々に近づいてくる建物。「あっ、あれや~」ぼくが幼稚園に通っていたら、きっとはしゃいで小躍りをしているはず。つきました、兵庫県からやってきまして。

 

 

 

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川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアム

 

 

 

「SF…すこしふしぎな世界をお楽しみください」

運転手さんが、またぼくの心を躍らせてくる。バスを飛び降りたのは、いつぶりだろう。もう、大好きで、大好きでたまらない藤本先生のミュージアム。ずっと来たくて来たくて、ようやく念願をかなえました。

 

 

 

ちょうどいま、コロコロコミックが40周年を迎えるため、原画展をやっていました。ぼくが小学生の頃に、毎月発刊を楽しみにしていた漫画雑誌。その表紙には、いつもドラえもんがいます。劇場版ドラえもんの連載は、いつもコロコロでされていて、その原画がたっくさん飾られていました。ドラえもんの映画は、ほんと大好きで、どれがいちばんかなんて選べないぐらいで。その実際の原稿が、各作品の解説といっしょに並んでいる。

 

 

「劇場版 ぼくと夢の国」

というタイトルがついてもええんちゃうかと思うぐらいの時間。

 

懐かしい…

 

しばらく、父とはじめてふたりで観に行った映画『のび太と銀河超特急』を見つけて、その絵をずーっと眺めていました。母と映画を観に行くと、いつも感想文を書かされる変わった教育を受けていたので、父と観に行ったときはすごく気楽だったなぁと思い出したりしました。パンフレットも買ってもらったことを覚えているし、すごくワクワクした作品だったなぁ。

 

 

 

Fシアターはタイムマシン

 

 

展示を抜けると、そこにはFシアターというものがあって、小さな映画館でドラえもんたちが出てくるアニメが上映される場所があります。日曜日だから、シアターはぎっしり詰まって、夏のちびっこ上映会と言っていいような状態でした。

 

 

「だれがタヌキだぁ!」

 

「ドラえも~ん」

 

 

ドラえもんがタヌキに間違われたり、のび太君がドタバタで転んだり、小学生たちはとにかく大うけです。つられてぼくも楽しくなる。そっか、いつの間にか、ひとりでドラえもんを観ていて声を出して笑わなくなっていたんだな。小さい頃は、タヌキって言われただけで、大爆笑だったなぁ。小学生と一緒にアニメを観ていると、その時間、ぼくも同じ年になっていたみたいで、しあわせに笑いました。

 

きっと、あのシアターはタイムマシンなのです。

 

 

 

 

グルメテーブルかけ、ほしい。

 

 

ミュージアムには、もうひとつ目玉がありまして。それがカフェなんですよね。今でいうところの、SNS映えしそうなかわいいメニューがたくさんあって、開門と同時に整理券へ走ってる人もいました。ぼくはと言うと、とにかく展示が観たくて、ひとり別ルートを進んでいたので、今回は外から食べてる人たちを眺めるだけで我慢。グルメテーブルかけが欲しいもんです。

 

 

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一緒に昼寝したかった

 

 

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あ、黒べえ

 


自撮り棒、ほしい。

 

 

庭をぶらぶらして、たくさんの仲間たちを見つけて、写真を撮って。ほんとうは、一緒に写りたいけど、シャッターを押してもらう勇気もなくて、外で買ったどら焼きを食べながら川崎市の空を見上げました。と同時に、階段の下を見下げました。

 

あ…

 

 

 

 

 

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映画にも出てきた石化されたドラえもんが、ミュージアムのはじっこにありました。月の光が当たると、呪いが解けて動けるようになるはず。のび太魔界大冒険、怖かったなぁ~。これ、トラウマになった人もいたんちゃうかなぁ。

 

 

 

四次元ポケットが、ほしい。

 

 

満たされて、満たされて、最後にお土産コーナーに行きました。すべての商品が大好きなF先生の作品のグッズ。ほしいものが、ありすぎる。どうしよう。カゴがどんどん重くなってしまう。あぁ、社会人でよかった。好きなものが、買えるというしあわせを初めて感じた瞬間でした。今年の夏は、ほんとうに暑くてつらかったけど、ぜんぶ今日のためにあったんやなぁと自分に言い聞かせて、その手をとめなかった。

 

 

 

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「すいません、これは郵送できますか?」

 

「ごめんなさい、やっていないんです…」

 

 

レジに行く前に、10分悩んだものがあった。どうしよう、大きすぎる。帰りの夜行バスで、どうやって持って帰ったらいいんだろう。お菓子や雑貨はいいけど、これはさすがに買えないかも…。四次元ポケットは、ぼくには無いし…。でも、でも、どうしてもほしくて、買ってしまった。

 

 

 

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父と観に行った、はじめての映画の複製原画です。展示で思い出にひたって動けなくなった絵を買ってしまいました。とっても大きくて、重くて。物流が発展するまえの画商のような格好で、横浜観光をすることになりました。帰りのバスも、たいへんでたいへんで。

 

でも、いまぼくの部屋に置かれたこの絵が、ぼくを元気にしてくれている。あのワクワクをぼくも作ってみたい。夢を忘れないでいようと、眺めるたびに奮起できる気がしています。あの頃に帰れないけど、でも、帰れるような。それは自分の気持ち次第。これからもずっと、あの頃の映画館の自分でいようと思うんです。

 

 

 

藤本先生ありがとう。

 

 

 

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ミュージアムの中庭、あまり人が寄ってこない場所に、この像がありました。

藤本先生がじぶんの作った仲間たちと手を取り合っています。

 

 

 

ウォルトディズニーのように。

ディズニーアニメと雰囲気はちがって、

すこしふしぎな世界だけど、

おなじようにいつまでも夢をくれる。

ドキドキさせてくれる。

 

藤本先生は、いつまでもぼくの憧れで、

たくさんのキャラクターは、いつまでもぼくの友達で、

一緒にすごしてきた時間は、いつまでもぼくの思い出です。

 

 

それにしても、絵を持って旅行するのは、たいへんでした。

 

 

また行きます。

どこでもドア、ほしい。

ペットもたいせつな家族ですから

 

仕事柄、家にあがらせてもらうと、部屋にあるたくさんの物から、お客様との接点をさがそうとしてしまう。営業だからというよりは、大学の友達の家に行って、本棚にじぶんも好きな漫画があったら嬉しいという感覚。

 

家具がかわっていたり、飾ってあった絵が消えていたり、冷蔵庫が最新になっていたり、そんなこともしっかり見ている。釣り竿があったら、釣りの話をしたり。家族写真があったら、お孫さんの話をしたりする。しあわせなことばっかりならいいけど、物が無くなっていたり、妙に片付いていたりしたら、ちょっとだけ慎重になって話をきくようにしている。

 

先日、数か月ぶりに訪問させていただくお客様がいた。リビングに通していただき、前回とおなじソファに座らせてもらう。いつも出してもらう野菜ジュースが、その日も机の上にあって。夏だから、氷も入ってキンキンに冷えていて。冷蔵庫も、そのまんま。飾っている絵も、そのまんま。だけど、なんとなく雰囲気がちがう。何も変わらないようで、決定的に何か欠けているような気がする。聞きたくないけど、聞かないわけにもいかない。なんとなく答えはわかっているけど、切り出しました。

 

 

「あれ?今日はハナちゃんはどうしたんですか?」

 

 

いつも足元によって来て、スーツのズボンに大量の毛を付けてくれていた柴犬のハナちゃんがいない。しばらく足の間をうろちょろして、相手をしてくれないと分かると、おとなしく座ってくれるハナちゃんがいない。

 

 

「あの子は、先月に亡くなったのよ」

 

 

何も知らなかったけど、予想通りの答えだった。犬がいた家と、犬がいなくなった家。リビングに入った瞬間にどこか感じた寂しさの原因は、ハナちゃんが亡くなったことだった。あまりにも元気にお迎えしてくれていたので気づかなかったけど、ハナちゃんは結構な老犬だったようだ。つまり、年を感じさせない若々しさがある女の子だったのだ。

 

 

「さびしくなりましたね」

「ちょっとね」

 

 

ご主人に先立たれ、一人と一匹で暮らしていたお客さんは、一人暮らしになった。悲観的に別れを嘆くというより、生活をそのまま続けているような、何事もなかったように「ちょっとね」と言った。それから、ハナちゃんのお話はせず、いつものように定期預金の切り替えをして、世間話をした。本当は、もっとしたかった。あの子はどんな感じで最期を過ごしたのか。昔はどんな子だったのか。お客さんと、どんな毎日をすごしてきたのか。でも、ぼくにその話を切り出せる権利なんて一つもなかった。

 

 

平準払いの保険を獲得を頼む

 

 

ぼくは、その日の朝、打ち合わせでこんなことを言われていた。支店のノルマが全然できていない項目。平準払いの保険獲得を課せられていた。どんな保険かというと、毎月、数千円お金を払って、病気に備える医療保険のことです。保険会社でもないぼくにとって、売ったことのない商品だったから、どうやって推進するかすごく悩んでしまって。どの商品がよくて、どの商品がいまいちか全然わからなかったのです。ぺらぺらと、対象の商品をさがしてマニュアルをめくっているとき、ひとつの保険に目が行きました。

 

 

ペット保険

 

 

動物病院の治療費にたいして、医療費負担を軽くする保険がある。ペットも病気になるし、けがをするから、そのために備えましょうという商品。7歳未満の犬猫だけが加入できる保険で、上司に言われた平準払い。

 

これがいちばん売りやすいぞ。自分の体のことは心配するけど、ご年配のお客様ならペット保険の存在を知らないはずだ。「たいせつな家族ですから」という一言を決めて、推進すればいいんだ。そんなことを考えながら、ペットを飼っている家を思い出して、たどり着いたのがそのお客様の家だったのです。

 

 

お目当ては、野菜ジュースでもなく、定期預金の切り替えでもなく、ハナちゃん。元気よく足元を走り回る姿を眺めながら、それとなくペット保険の話を切り出す。

 

「こんなに元気でも、いつか病気になる時がきます

 そのときのために、ペットもたいせつな家族ですから」

 

ぼくの頭の中に描いていた、シミュレーションでした。でも、そこにハナちゃんはいなかった。何を求めて、ぼくは今日ここに来たんだろうか。その日は、とてつもない自己嫌悪に陥って帰ったのを覚えています。営業マンなんだから、それぐらでヘコんでどうするんだと言われそうですが、落ち込んで落ち込んで、どうしようもなかった。

 

 

ちょうどその頃、新聞広告のコンペで、捨て犬捨て猫問題について考える機会があった。コピーをたくさん書いて、命の尊さとか、人間の醜さとかを延々と紙にかきつづった。どうすれば、殺処分される犬猫たちを守れるんだろうか。何を言えば、捨てる人たちを説得できるのだろうか。たくさん調べて、書いて、消して。ハナちゃんが亡くなったと知った日も、帰って机に向かった。

 

 

ペットは家族

 

 

昨日の自分が書いていた言葉があった。「これをすこしでも多くの人に分かってもらえる表現を探すこと!」と赤ペンでメモもつけていた。情けなくて、恥ずかしくて、即座にそのページを破ってすてた。

 

保険を売るために出てきた言葉と、犬猫を救いたいと思った時に出てきた言葉が同じだったことがとても恥ずかしかった。ノルマを達成するために、苦し紛れに思いついた言葉と、犬猫を守るという大義名分をかかげて出した言葉が、まったく一緒だったのだ。きっと、ペット保険の件がなかったら、そのままコンペに対して「ペットは家族」ということを掲げて書いていたと思う。でも、そんなことはもうできない。使っちゃいけないと思った。

 

 

月曜日、別のお客さんの家へ行った。その家には猫がいて、3歳のかわいい灰色の女の子だった。ぼくがどれだけ落ち込もうと、ノルマは変わらない。平準払いの保険は、まだ1つも成約ができていなかった。

 

 

 ペット保険というのは知っていますか?

 お客様の体よりも、もっと治療費にはお金がかかりますし

 動物病院ごとに請求額はぜんぜんちがうと聞いています

 でも、治してくれる場所は限られているし、

 それに頼るしか飼い主様にはないんです

 だからこそ、備えておくのはどうでしょう

 

 

本当のことだけを話した。都合のいい言葉を決めたくなくて。成約どうこうよりも、調べて分かった、飼い主の人に知っておいてほしいことだけを伝えた。

 

 

「そうやんねぇ、この子は家族やからねぇ」

 

 

お客さんがぽつりと言った。それは、ぼくが成約につなげるために考えた言葉と同じだった。ハナちゃんが死んで、自分が都合よく関わってきた人たちを利用して、心の弱いところを逆手にとって営業をしていることに気づいたぼくにとって、その言葉をお客様から言ってもらえたことは、少しだけ救われた気がした。

 

 

「そうです、大切な家族です」

 

 

言わないことに決めた言葉を、ぼくは言った。そして、当行以外の商品ともしっかり見比べて加入を考えてもらうよう依頼した。自己満足かもしれないけれど、でも、ハナちゃんにしてしまったことを二度としたくなかったから。自分の都合ではなく、犬猫と飼い主の関係の中に、いちばん必要なものとして保険があってほしかった。

 

ぼくが獲得した保険 じゃなくて、

大切な家族のために入った保険 にしてほしかったから。

 

 

 

 

通帳返却で、もう一度お客様の家へ行った。

いつものソファで、冷えた野菜ジュースを飲みながら、定期預金のお礼を伝えたあとに、ぼくはハナちゃんの話を聞いた。どんな様子でお別れをしたのか、どうしてハナちゃんという名前なのか。犬がいない生活と、いる生活は何が違うのか。とても楽しい話を1時間ほどしていた。

 

 

ラ・ラ・ランドの話をきかなくっちゃ

 

台風5号が、ぼくの仕事場のへんを通過しようとしていた。雨が降ろうが、雷が鳴ろうが、カッパを着てチャリにまたがって営業へでかけている。

 

あぁ、なにも良いことがない。

 

天気が悪かったり、気温が上がったりすると、直接的に体力は削られる。気圧が低くて、頭が痛くなる。

 

「電車が停まる可能性があるから、今日は早くあがろうや」

上司の一言を、ぼくはさっき飲んだロキソニンの効き目を待ちながら聞いた。いつもなら急いで家へ帰って、お風呂にはいって、布団に入りながらTwitterでも見てクスクスするんだけど、今日はそんなことをしている暇がぼくにはなかった。

 

 

ラ・ラ・ランドの話をきかなくっちゃ

 

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恥ずかしながら、ボロボロに泣いてしまった映画『ラ・ラ・ランド』。その作品について語り合う素晴らしい時間が今日はあったのです。お話をしてくれるのは、いつも布団に入りながらTwitterでクスクスさせてくれる人、田中泰延さん。営業の休憩中にジーンと涙ぐませてくれる人、かっぴーさん。タイムラインでしか、出会ったことのないお二方が、大好きな映画について話をしてくれるなんて夢のようで。「家の用事で…」なんて嘘をつかなくても開場の時間に間に合えるようにしてくれた、台風5号に感謝して会場へ向かったのです。

 

 

映画についてのトークショーってどんなことをするんだろう。「あのシーンは良かったよねぇ」みたいなことを、パイプ椅子に座った登壇者が、腕を組んで顎に手をやりながら語り合う姿を見ている感じなのかなぁとか思っていたんですが、実際はもっともっと最高でした。どんな雰囲気だったかというと、東京で初めてはいった浅草演芸ホールの雰囲気にすごく似ていた気がした。それぞれが、好きなものを食べて飲んで、一緒になって泰延さんの用意してくれたスライドを辿っていく。

 

 

ちなみに、こちらが泰延さんが書いている映画についてのお話。

 

www.machikado-creative.jp

 

飽きない、飽きない。映画を観た人も、観ていない人も布団に入ってクスクスしたり、ワクワクできるような文章が続いていきます。そんな泰延さんが、今日は、声を使って、表情を使って、映像を使って話をしてくれました。映画漫談という新ジャンルの演芸を観ているような気がするし、それでいて、『ラ・ラ・ランド』の持っている作品の魅力を存分に教えてくれる。 夢を追い続けている主人公の心情。監督の伝えたかった気持ち。どのようなオマージュが組み込まれているのか、セリフまわしの妙技、自衛隊の大砲の名称、アカデミー賞のピザの話まで。プラレールもびっくりなぐらい脱線をして、そこでまた観客の爆笑を乗せて、線路へもどってくる。気づけば、もう笑いっぱなしの数時間を過ごしていたのです。

 

 

ぼく自身、書く仕事がしたいけど、才能もないし何もない。熱いし、しんどいし、汗を流しながら、自分を抑えながら銀行で営業をしている。つらくて仕方ない。あんなに、書くことをしたいと思っていたのに、ぼくはいま何をしているんだと悲観的になって、泣きそうになる。毎日、悔しい思いをしながら何も生み出せない自分に愛想をつかしている。

だからこそ、『ラ・ラ・ランド』を観てボロボロに泣いてしまったし、前へ進まなきゃと痛いかもしれないけど思ったりしている。大学の先輩にその話をしたら、「それはキモいやろ」と言われて、へへへと目をそらしたりしていた。

 

 

かっぴーさんの書かれている漫画『左ききののエレン』は、ぼくを泣かせてくれるもう一つの作品。

 

cakes.mu

 

 

広告代理店に入った若者が、才能の無い自分と、周りの人間の輝きに葛藤しながら生きていく。そんな姿を見ていて、なにもできていない自分が情けなく感じてきて、気づいたら漫画の中のセリフは、ぼくの心の叫びに変わっている。風船のようにちょっとずつ膨らんできたモヤモヤを、プスッと針で刺してくれるような存在です。毎週木曜日に、ぼくを前進させてくれる漫画です。なんて言うか、ただただ萎んでいく風船ではなく、阪神タイガースのロケット風船のように飛び出せる推進力を、くれるような存在です。

 

 

 

 

人生は一度きり

 

最後にこの言葉で、トークショーは終わりました。

映画『ラ・ラ・ランド』が伝えたかったことは、人生は一度きり。

泰延さん、かっぴーさんが伝えたかったことも、人生は一度きり。

会社を辞められ、好きなことでたくさんの人の心を鷲掴みしている2人はとても楽しそうで、羨ましくてしかたなかった。どうしてぼくは、毎日公園のベンチで座り込んで、ボーッとしているんだろう。苦手なお金の話を、汗を流しながら必死に考えているんだろう。楽しそうだなぁ。一度しかない人生を、全力で楽しんでいらっしゃるなぁ。そんなことを思いながら、たくさん笑ってしあわせになることができました。

 

 

今、自分にできることって何なのだろう。どんなことで、人の心を動かせたりできるんだろうか。探していきたいなぁ。

 

 

浅草演芸ホールで落語を観たときよりも、もっと早く時間は過ぎてしまった。

思いっきり笑ったし、たった一度の人生を楽しみたいと心から思った。

それは、映画のメッセージを読み取ったというより、お二人の話や表情を見ていて強く感じた。

 

 

大人があんなに、声を出して笑っている時間って素晴らしいと思った。

大人があんなに、話の脱線を楽しみ笑顔になっているのが素晴らしいと思った。

大人があんなに、人生というものを自分本位で語っているのが素晴らしいと思った。

 

 

お会計をすませて、帰ろうとしたとき、

出口に田中泰延さんが立っていた。

来場した1人1人に挨拶をしてくださっている。

ぼくは、なんだかドキドキしてしまった。

アイドルの握手会のようなテンションで、

「いつもTwitter楽しみにしています!」と言った。

 

本当は、もっともっと言いたいことがあった。

 

「もっと泰延さんとお話がしたいです、いろんなことを聞かせてください!」

言いたかった。だけど、なんか緊張してしまった…。

またお会いしたいな。今度は、もっと話をしたいな。

世の中には、魅力的な人がたくさんいるんだなぁと心底思った。

家に帰って、風呂に入って、寝て。

明日は仕事に行くだけなのに、足取りは軽く、何かわからない希望にワクワクした。

 

 

明日からは、もっと楽しんで生きよう。

そんなことを考えながら、ブログをこうやって書いていると、

日付はかわり火曜日になっている。

 

 

トークショーは、あまりにも、笑いどころが多すぎて、

途中からバテそうな気がして、省エネで笑うようにしてました。

体力を気にしながら笑わないといけない時間なんて、初めてで、

疲れ切ってもいいやと思いながら楽しむ月曜日も、初めてだった。

 

 

最寄り駅から家へ帰る道。

突如やってきた尿意に焦り、全力でダッシュした。

 

 

そうだった、会社を出る前からトイレに行きたかったんだ。

あまりに楽しくて、忘れてたんだ。

走りつかれた。笑いつかれた。楽しかった。

 

ぼくのなりたいおやじ 3

 

小学生の時に、国語の授業で、

セミのオーケストラという詩を書いた。

夏になると、何年も練習した音楽を

ぼくたちへ演奏してくれるオーケストラがある。

たった一週間でなくなってしまうその音楽には、

どこか寂しさがあるということを書いたと思う。

 

 

先生にもそれなりに褒められて、

なんとなくいいことを書けたと思った。

だからこそ、いまも夏を歩くと、

セミのオーケストラを思い出す。

 

 

社会人になって、営業をして、

自転車で毎日外を走っていると、

セミのオーケストラが大演奏を続けている。

 

 

十年以上を経て、ふっと思った。

彼らはいったい、何を演奏しているのだろう。

何を演奏していると思ったら、

外を走っていて楽しく感じるだろう。

 

 

夜遅くに、地面から這い出たセミたち。

葉っぱにしがみついて、ゆっくりゆっくり羽化。

何年も地面でねむっていた気持ちを、

発散するかのように1週間を生きる。

たくさんの仲間と演奏する。

 

 

そうだ、「スリラー」だ。

マイケル・ジャクソンのスリラーを鳴らしているんだ。

歌ってんだ。

あの曲のイントロが流れている中、

土から出てきたセミたちが、

全力でスリラーを聴かせてくれているんだ。

そう思うと、なんだか気分が晴れてくる。

みなさんも良かったら、

外でセミが鳴いていたら、

スリラーを演奏していると想像してみてください。

ちょっとだけ、夏も気楽になるかも…しれません。

 

 

毎日ぼけーっと色んなことを考えてて、 

ショートショートとかも書くのがすごく好きなんですが、

好きと得意はまた違ってきて、

いいどんでん返しが思いつかないんですよねぇ。難しい。

 

 

ってわけでお願いします。

 

 

 

ぼくのなりたいおやじ

 

 

アイスを買ってみんなで食べるんだけど、

パピコを買っても奥さんと子どもが分け合って、

自分は2本食べる。

ピノは6個だから分け合えると思ってたら、

奥さんと子どもが3つずつで分け合っていて、

自分は入れてもらえない。

 

開き直って、「すげぇうめぇ!」とか言いながら、

ホームランバーをがっついている姿を見せびらかしちゃって。

で、当たりが出たりして2人に見せびらかしたら、

「よかったねぇ~」と盛大にパチパチされて、

むなしくコンビニに引き換えに行くような、

さびしいおやじにぼくはなりたい。

 

 

 

 

フリーマーケットの値付けをみんなでしていて、

ぼくが高値をつけた商品は安く売られて、

ぼくが安値をつけた商品は高く売られる。

なんでそんなことになるんだって聞いたら、

「パパはいっつも当たってないやんか」と、

家族みんなで観ている、

出張なんでも鑑定団の的中率の低さを指摘され、

ぐうの音もでずにお釣りの計算をさせられる、

かなしいおやじにぼくはなりた。

 

 

 

 

好きな女優さんを聞かれて、

永作博美が好きかなぁと写真をみせてあげる。

「パパは、アコムの人が好きなんだって!」と、

娘が奥さんにボソッと放った一言がどういうわけか飛躍して、

趣味の競馬が、とうとう度を越えてしまったんじゃないかと心配され、

急遽、家族会議が開かれてしまう。

テーマは、「パパの好きな人について」で、

恥ずかしがりながら永作博美のことを奥さんに説明する、

なさけないおやじにぼくはなりたい。

 

 

 

 

当たりつきの自販機で飲み物を買うときに、

「あんたはいつも当たらへんし」と言われ、

ボタンすら押させてもらえない。

パチンコに行って、

いつもお土産もなく帰ってくることを、

遠回しに叩かれちゃって、

しかも奥さんがジュースを当てたことに、

すっかりショックを受

ギャンブル引退を宣言するような、

いさぎよいおやじにぼくはなりたい。

 

それでも、

動物は大好きだからという絶妙な理由で、

競馬だけは続けちゃっているような

かっこわるいおやじにぼくはなりたい。

 

 

 

 

奈良県とかに行って、

入口にいある大きな金剛力士像について、

子供に教えてあげたりして。

2体の像が、口を開けているのと閉まっている姿を指さして、

阿吽の呼吸という言葉を説明するのだ。 

「言葉を交わさなくても、分かり合っていることを阿吽の呼吸っていうんだ」

って、うんちくを披露したいなぁ。

 


「パパとママみたいだね」って娘が言うから.

なんでか聞いてみたら、

「だって、いつもこわい顔してるけど2人は仲良しなんでしょ?」

と、ドキっとするようなこと言われたりして。

子供もよく自分たちのことを見ているんだなぁと、

しみじみうれしくなってしまって、

その日、いちばんはしゃいでいるようなおやじにぼくはなりたい。

 

 

 


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さて、明日もスリラーを、

セミのオーケストラに聴かせてもらいながら、

マイケルの物真似でもして、

汗だくで自転車をこいでいこかなぁ。

 

夏休みがほしいなぁ。