得も損もない言葉たち。

日常をひとます、休まず。

あなたのクスッとをください。

就活に傷つくのは、もうやめよう。

 

 

就職活動をしていたとき、ぼくは会社というものが、これほどまでに平凡な人間の集いだと思ってもいなかった。ぜんぜん面接がうまくいかなくて、内定も貰うことができなかったので、よっぽど凄い人たちが仕事をしているんだろうと、そう思っていた。

 

ぼくが働いている会社が、とりわけ、平凡なのかもしれない。でも、就職活動をこれからされる人たちに言っておきたいことがある。別に、偉そうなことを語りたいんじゃなくて、自分を守ってほしいから言う。

 

何言ってんだとなったら、すいません。でも、置いておきたくて。

 

会社なんて、平凡な人間の集合体だ。

 

 

自分をふくめて、そう思う。けなしてるんじゃなくて、言葉通り平凡なのだ。

 

 

就職して最初の上司は、半年で異動になった。その転勤先は、銀行ではなく、別の会社だった。出向である。いままで30年間、銀行員として働いてきて、とつぜん全く異なる世界へ移る。それも、転職ではなく辞令でのこと。決心もくそもない。

50歳をこえる大人のしょげている背中は、とてつもなく寂しかった。

 

 

「ほんまに嫌だし、最悪やわ」と上司は本音をもらしていた。その姿をみて、「あぁ、なんや、ふつうの人間やん」と、そう思った。勝手に、社会人は転勤や出向をものともしないと思っていたけど、嫌なものは嫌なのだ。

 

 

 

社内では、いつもみんながみんな仕事のことを考えているわけじゃない。どう考えても、奥さんと喧嘩したとしか思えない人が、とてつもなく悪い空気を作ったりする。かと思えば、娘の誕生日だからとご機嫌にふるまったりもする。

ひとりの家庭状況に振り回されて、ぼくたちは背筋を伸ばしたり、声のトーンを変えたりしないといけない。上司や同僚の数だけ創意工夫が求められる。

 

今日の天気予報を確認してくるより、会社の人たちの朝の表情を見るほうが重要だ。天気がどうか、仕事がどうか。そんなことよりも、自分が無事に家に帰ることができるかを気にするべきだ。

 

もっとしょうもない理由もあると思う。パチンコで負けたとか、不倫がばれたとか、阪神タイガースが調子悪いとか、こんな理由で不機嫌に巻き込まれることが会社ではしょっちゅうある。

 

 

イジメだってある。あの人は空気が読めないとか、直接言わずに、聞こえてそうな場所で話している人もいる。若い女性社員の愚痴をきいている、その中年のおやじの顔は、とてつもなくニヤけていたりする。その人が、いろんな女性社員に毎日ラインを送っていることは、みんな知っている。愛人関係にある部下をつれて、前に働いていた支店を訪れる偉い人もいたなぁ。

 

 

 

こんな人たちが、それなりに仕事をして、お給料をもらって生活をしているのが会社です。ぼくなんか、仕事の半分はサボっていますし、昼寝のしすぎで頭痛薬を飲む時だってある。

 

 

サボりたいし、人見知りはするし、転勤はいやだし、彼氏と別れると機嫌が悪いし、自分が調子がいいと周りに明るくするし、イジメっこはいるし、エロおやじもいるし、愛人を見せびらかしたい。そんな人たちが、会社にはいっぱいいる。

 

 

 

就職活動をしていると、たくさん面接を受ける。面接官は、いわばこっちの運命を握っているわけで、この人に好印象をもってもらうかどうかに必死になる。なにか難しい顔をして、志望理由や自己PRを聞いているけど、頭の中は、息子の受験結果でいっぱいだったりする。

 

それなのに、ぼくたちはどうしても、面接官の人をとても偉い人だと思い、御社のことをとても徳の高い存在だと勘違いしてしまう。何も考えていない人とかに、ちょっと偉そうに指摘を受けたことを、真に受けて凹んでしまったり、閉じこもってしまったりする。

 

 

その面接官を、ゴリゴリにつめている上司がきっといる。

 

 

嫌味なことや、バカにされたような態度をとられたり、お高くとまった話し方をされて、結果的に落とされてしまっても気にすることはない。面接官という役をおりたら、その人たちは自分たちの部署で、やたらめったら上司に怒られている。「でへへ」なんて頭をかいて、うまいこと逃れようとしたりする。

 

何も考えていない人に限って、うまく言うことに慣れている。ぼくもたぶん、面接官をやれって言われたら、それなりにグダグダ就活生を困らせることができると思う。考えているように見せるのが、社会人はうまいのだ。そうやって、パフォーマンスをすることで、なんとかやっていく、そんなサラリーマンがほとんどだ。

 

とつぜんにチャンスタイムの音楽が鳴り、立場が逆転したとする。

 

面接官が就活生に、就活生が面接官になったとして、話している内容を比べたとすると、きっとみんな、汗を流してしどろもどろだ。下手したら、あなたのほうが、しっかりしたことを言っているかもしれない。

 

 

御社は、御社である以上、いつまでも就活生を特別扱いはしない。

 

人事部は、採用活動をすることでお金をもらい、子供を大学に通わせる。面接官は、休日出勤の手当てをもらって、翌日は競馬場へ向かう。

 

 

それぐらい、社会人は就活生が思っているよりも平平凡凡だ。みんながみんな、自分本位で動いている。人生をささげて仕事をしているのだから、当然だ。

 

 

ちょっと機嫌が悪い日だから、面接官が厳しかったりもするだろう。前の日の合コンでうまくいったから、就活生にやさしいイケメンの採用担当もいるだろう。そんなことに、一喜一憂しないでほしい。

 

 

 

消費される側に、どうかならないでほしい。

 

必死な姿を、その日の夜の話ネタにされないでほしい。

 

ぼくは何回でも言いたい。偉い人も、スマホゲームをして、部下にハートを送ったりしている。Facebookに、マラソンに参加して完走した喜びを絵文字たっぷりで報告している。スポーツ新聞の風俗欄を眺めている。娘の反抗期に、寂しさを感じていたりする。

 

 

そういう平凡な人間が、会社をやっていると思ってほしい。

 

 

むやみに傷ついたり、落ち込んだり、そんなことはしないで、いい会社と巡り合ってほしい。面接がうまくいかなかったり、偉そうなことを言われたらこう思ってほしい。

 

 

その人は今日も朝の通勤で、必死にパズドラをやっている。イヤホンから流れる音楽は、あなたも大好きな乃木坂46の表題曲で、月曜日だからコンビニでハンターハンターを立ち読みする、そんな平凡な人だ。

 

 

無理せず、就活に挑んでほしいなあ。

 

 

こうやって人には言えるけど、でも、ぼくも転職活動をしている身です。

不採用で落ち込むし、書類選考は通らないし、行きたかった会社から連絡は無いし。

 

 

自分ができないことを、人に言いたくなるのは、面接官もおなじですね。