暖簾になにを、しかけりゃいいの。【ことわ・ざ】
今回は、こちらのことわざ。
意味は分かる。大体は分かる。
だけど、そもそも、暖簾が何か。
それよりも、腕押しって何か。
わかってないのに、ことわざの意味は分かっている。
これは、不思議だ。おかしい。
暖簾は、「のれん」。
あれですあれ。町にある食堂とかの入り口にぶら下がっている布。
のれんが出ていると、その店は営業中であると分かったりします。
まぁ、横の【営業中】を見てしまうのですけど。ね。
あと、今はそんなことをしませんが、
昔はお客さんが食べ終わって外へ出る時に、のれんで手を拭いていたそうな。
「おいしい店は、のれんが汚い」
なんて指標があったみたいです。
まさに、汚い店ほど美味いというのは、ここにあるのではないのかな。
不潔と、汚いの違いはここだと思うんです。うん。
ハエが飛んでいるのと、のれんが汚れているのはワケが違う。
あと、現代においては、
「おいしい店は、星が多い」
と言ったところではないのかな。
レビューを見て、物を選ぶ時代。
ネットショッピングには、天体観測が欠かせませんねぇ。
さて、腕押しですけども。
こっちが大本命。理解されていないほうのやつ。
恐らく、ニュアンスは分かっているけどってやつ。
じゃん。
目の前に、のれんがあって、腕押ししてみてくださいって問題が出る。
悩んだ結果、みなさんはどういう行動をとりますか。
3秒待ちましょう。
1
2
・・・もうちょっとほしいですか。そうですか。じゃあ5秒で。
3
4
5
では、答え合わせをしましょう、
させてください。
スタンディングで、のれんに触れているあなた。
間違いでございます。
スーツを着ていようとも、地べたに這いつくばって、
肘は地面に接すること。
店頭に、椅子がある場合は、それでもいいですねぇ。
そして、のれんとがっぷりよっつで組み合ってください。
伝わってますでしょうか。
いやぁむずかしい。
味のありそうでない、絵で答えを。
つまりは、腕押しとは、腕相撲のこと。
暖簾に腕押しとは、
のれんと、いくら腕相撲をとっても張合いがないってことなんです。
でも、のれんは、腕じゃないじゃないか。
ってことは、完璧な試合不成立じゃないか。
だったら、意味は、
「無意味なことに挑むこと」
じゃないのだろうか。
そんな意見を提出しようと思ったり、思わなかったり。
それこそ、無意味なことに挑んでるような気もしてきます。
ほいほい。
現代における、暖簾に腕押しは一体どんな表現がいいのだろうか。
暖簾と何をしようか。
それとも、何と腕相撲をしようか。
う~ん。こまった。
ここまで書いておきながら、答えが見つからない。
完全に、無気力なものが見つからないのである。
いわゆる、生命が宿っているものは少なからず抵抗してくるに違いない。
なまけものに腕押し
タコに腕押し
ねこじゃらしに腕押し
いろんな物に勝負を挑んでも、ちょっは張合いがありそうなんです。
ってなると、無機質なものに何かをしかけることになるんですけども、
これがまた見つからない。
のれん程に、力のぬけた存在が見つからないのです。
あの、ヒラヒラした姿。
風に身をまかせ、ゆれる切れ込み。
棒に刺されて、店頭に吊るされる無気力。
完璧なのです。
ここまで散々、書いてきたのですけどね。
ですけども。
やはり、昔の人はすごいんですね。
いろいろ解剖してみたけれど、また元の姿にもどっていくんです。
「暖簾に腕押し」がやっぱり、完成形だったんです。
「暖簾に腕相撲」でもいいとは思うんですけどね。
無理をして、ことわざを作るとしたらこうじゃないのかな。
充電切れのiPhoneに、Hey!siri!
どうですか。
・・・
めちゃくちゃ使いずらいやないか!って意見はよしてください。
いまのぼくに、何を言っても暖簾に腕押しですよ。
【暖簾に腕押し】
意味
・なんの張合いもなく、手ごたえがないことの例え