得も損もない言葉たち。

日常をひとます、休まず。

あなたのクスッとをください。

ラ・ラ・ランドの話をきかなくっちゃ

 

台風5号が、ぼくの仕事場のへんを通過しようとしていた。雨が降ろうが、雷が鳴ろうが、カッパを着てチャリにまたがって営業へでかけている。

 

あぁ、なにも良いことがない。

 

天気が悪かったり、気温が上がったりすると、直接的に体力は削られる。気圧が低くて、頭が痛くなる。

 

「電車が停まる可能性があるから、今日は早くあがろうや」

上司の一言を、ぼくはさっき飲んだロキソニンの効き目を待ちながら聞いた。いつもなら急いで家へ帰って、お風呂にはいって、布団に入りながらTwitterでも見てクスクスするんだけど、今日はそんなことをしている暇がぼくにはなかった。

 

 

ラ・ラ・ランドの話をきかなくっちゃ

 

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恥ずかしながら、ボロボロに泣いてしまった映画『ラ・ラ・ランド』。その作品について語り合う素晴らしい時間が今日はあったのです。お話をしてくれるのは、いつも布団に入りながらTwitterでクスクスさせてくれる人、田中泰延さん。営業の休憩中にジーンと涙ぐませてくれる人、かっぴーさん。タイムラインでしか、出会ったことのないお二方が、大好きな映画について話をしてくれるなんて夢のようで。「家の用事で…」なんて嘘をつかなくても開場の時間に間に合えるようにしてくれた、台風5号に感謝して会場へ向かったのです。

 

 

映画についてのトークショーってどんなことをするんだろう。「あのシーンは良かったよねぇ」みたいなことを、パイプ椅子に座った登壇者が、腕を組んで顎に手をやりながら語り合う姿を見ている感じなのかなぁとか思っていたんですが、実際はもっともっと最高でした。どんな雰囲気だったかというと、東京で初めてはいった浅草演芸ホールの雰囲気にすごく似ていた気がした。それぞれが、好きなものを食べて飲んで、一緒になって泰延さんの用意してくれたスライドを辿っていく。

 

 

ちなみに、こちらが泰延さんが書いている映画についてのお話。

 

www.machikado-creative.jp

 

飽きない、飽きない。映画を観た人も、観ていない人も布団に入ってクスクスしたり、ワクワクできるような文章が続いていきます。そんな泰延さんが、今日は、声を使って、表情を使って、映像を使って話をしてくれました。映画漫談という新ジャンルの演芸を観ているような気がするし、それでいて、『ラ・ラ・ランド』の持っている作品の魅力を存分に教えてくれる。 夢を追い続けている主人公の心情。監督の伝えたかった気持ち。どのようなオマージュが組み込まれているのか、セリフまわしの妙技、自衛隊の大砲の名称、アカデミー賞のピザの話まで。プラレールもびっくりなぐらい脱線をして、そこでまた観客の爆笑を乗せて、線路へもどってくる。気づけば、もう笑いっぱなしの数時間を過ごしていたのです。

 

 

ぼく自身、書く仕事がしたいけど、才能もないし何もない。熱いし、しんどいし、汗を流しながら、自分を抑えながら銀行で営業をしている。つらくて仕方ない。あんなに、書くことをしたいと思っていたのに、ぼくはいま何をしているんだと悲観的になって、泣きそうになる。毎日、悔しい思いをしながら何も生み出せない自分に愛想をつかしている。

だからこそ、『ラ・ラ・ランド』を観てボロボロに泣いてしまったし、前へ進まなきゃと痛いかもしれないけど思ったりしている。大学の先輩にその話をしたら、「それはキモいやろ」と言われて、へへへと目をそらしたりしていた。

 

 

かっぴーさんの書かれている漫画『左ききののエレン』は、ぼくを泣かせてくれるもう一つの作品。

 

cakes.mu

 

 

広告代理店に入った若者が、才能の無い自分と、周りの人間の輝きに葛藤しながら生きていく。そんな姿を見ていて、なにもできていない自分が情けなく感じてきて、気づいたら漫画の中のセリフは、ぼくの心の叫びに変わっている。風船のようにちょっとずつ膨らんできたモヤモヤを、プスッと針で刺してくれるような存在です。毎週木曜日に、ぼくを前進させてくれる漫画です。なんて言うか、ただただ萎んでいく風船ではなく、阪神タイガースのロケット風船のように飛び出せる推進力を、くれるような存在です。

 

 

 

 

人生は一度きり

 

最後にこの言葉で、トークショーは終わりました。

映画『ラ・ラ・ランド』が伝えたかったことは、人生は一度きり。

泰延さん、かっぴーさんが伝えたかったことも、人生は一度きり。

会社を辞められ、好きなことでたくさんの人の心を鷲掴みしている2人はとても楽しそうで、羨ましくてしかたなかった。どうしてぼくは、毎日公園のベンチで座り込んで、ボーッとしているんだろう。苦手なお金の話を、汗を流しながら必死に考えているんだろう。楽しそうだなぁ。一度しかない人生を、全力で楽しんでいらっしゃるなぁ。そんなことを思いながら、たくさん笑ってしあわせになることができました。

 

 

今、自分にできることって何なのだろう。どんなことで、人の心を動かせたりできるんだろうか。探していきたいなぁ。

 

 

浅草演芸ホールで落語を観たときよりも、もっと早く時間は過ぎてしまった。

思いっきり笑ったし、たった一度の人生を楽しみたいと心から思った。

それは、映画のメッセージを読み取ったというより、お二人の話や表情を見ていて強く感じた。

 

 

大人があんなに、声を出して笑っている時間って素晴らしいと思った。

大人があんなに、話の脱線を楽しみ笑顔になっているのが素晴らしいと思った。

大人があんなに、人生というものを自分本位で語っているのが素晴らしいと思った。

 

 

お会計をすませて、帰ろうとしたとき、

出口に田中泰延さんが立っていた。

来場した1人1人に挨拶をしてくださっている。

ぼくは、なんだかドキドキしてしまった。

アイドルの握手会のようなテンションで、

「いつもTwitter楽しみにしています!」と言った。

 

本当は、もっともっと言いたいことがあった。

 

「もっと泰延さんとお話がしたいです、いろんなことを聞かせてください!」

言いたかった。だけど、なんか緊張してしまった…。

またお会いしたいな。今度は、もっと話をしたいな。

世の中には、魅力的な人がたくさんいるんだなぁと心底思った。

家に帰って、風呂に入って、寝て。

明日は仕事に行くだけなのに、足取りは軽く、何かわからない希望にワクワクした。

 

 

明日からは、もっと楽しんで生きよう。

そんなことを考えながら、ブログをこうやって書いていると、

日付はかわり火曜日になっている。

 

 

トークショーは、あまりにも、笑いどころが多すぎて、

途中からバテそうな気がして、省エネで笑うようにしてました。

体力を気にしながら笑わないといけない時間なんて、初めてで、

疲れ切ってもいいやと思いながら楽しむ月曜日も、初めてだった。

 

 

最寄り駅から家へ帰る道。

突如やってきた尿意に焦り、全力でダッシュした。

 

 

そうだった、会社を出る前からトイレに行きたかったんだ。

あまりに楽しくて、忘れてたんだ。

走りつかれた。笑いつかれた。楽しかった。