得も損もない言葉たち。

日常をひとます、休まず。

あなたのクスッとをください。

ぼくのなりたいおやじ 3

 

小学生の時に、国語の授業で、

セミのオーケストラという詩を書いた。

夏になると、何年も練習した音楽を

ぼくたちへ演奏してくれるオーケストラがある。

たった一週間でなくなってしまうその音楽には、

どこか寂しさがあるということを書いたと思う。

 

 

先生にもそれなりに褒められて、

なんとなくいいことを書けたと思った。

だからこそ、いまも夏を歩くと、

セミのオーケストラを思い出す。

 

 

社会人になって、営業をして、

自転車で毎日外を走っていると、

セミのオーケストラが大演奏を続けている。

 

 

十年以上を経て、ふっと思った。

彼らはいったい、何を演奏しているのだろう。

何を演奏していると思ったら、

外を走っていて楽しく感じるだろう。

 

 

夜遅くに、地面から這い出たセミたち。

葉っぱにしがみついて、ゆっくりゆっくり羽化。

何年も地面でねむっていた気持ちを、

発散するかのように1週間を生きる。

たくさんの仲間と演奏する。

 

 

そうだ、「スリラー」だ。

マイケル・ジャクソンのスリラーを鳴らしているんだ。

歌ってんだ。

あの曲のイントロが流れている中、

土から出てきたセミたちが、

全力でスリラーを聴かせてくれているんだ。

そう思うと、なんだか気分が晴れてくる。

みなさんも良かったら、

外でセミが鳴いていたら、

スリラーを演奏していると想像してみてください。

ちょっとだけ、夏も気楽になるかも…しれません。

 

 

毎日ぼけーっと色んなことを考えてて、 

ショートショートとかも書くのがすごく好きなんですが、

好きと得意はまた違ってきて、

いいどんでん返しが思いつかないんですよねぇ。難しい。

 

 

ってわけでお願いします。

 

 

 

ぼくのなりたいおやじ

 

 

アイスを買ってみんなで食べるんだけど、

パピコを買っても奥さんと子どもが分け合って、

自分は2本食べる。

ピノは6個だから分け合えると思ってたら、

奥さんと子どもが3つずつで分け合っていて、

自分は入れてもらえない。

 

開き直って、「すげぇうめぇ!」とか言いながら、

ホームランバーをがっついている姿を見せびらかしちゃって。

で、当たりが出たりして2人に見せびらかしたら、

「よかったねぇ~」と盛大にパチパチされて、

むなしくコンビニに引き換えに行くような、

さびしいおやじにぼくはなりたい。

 

 

 

 

フリーマーケットの値付けをみんなでしていて、

ぼくが高値をつけた商品は安く売られて、

ぼくが安値をつけた商品は高く売られる。

なんでそんなことになるんだって聞いたら、

「パパはいっつも当たってないやんか」と、

家族みんなで観ている、

出張なんでも鑑定団の的中率の低さを指摘され、

ぐうの音もでずにお釣りの計算をさせられる、

かなしいおやじにぼくはなりた。

 

 

 

 

好きな女優さんを聞かれて、

永作博美が好きかなぁと写真をみせてあげる。

「パパは、アコムの人が好きなんだって!」と、

娘が奥さんにボソッと放った一言がどういうわけか飛躍して、

趣味の競馬が、とうとう度を越えてしまったんじゃないかと心配され、

急遽、家族会議が開かれてしまう。

テーマは、「パパの好きな人について」で、

恥ずかしがりながら永作博美のことを奥さんに説明する、

なさけないおやじにぼくはなりたい。

 

 

 

 

当たりつきの自販機で飲み物を買うときに、

「あんたはいつも当たらへんし」と言われ、

ボタンすら押させてもらえない。

パチンコに行って、

いつもお土産もなく帰ってくることを、

遠回しに叩かれちゃって、

しかも奥さんがジュースを当てたことに、

すっかりショックを受

ギャンブル引退を宣言するような、

いさぎよいおやじにぼくはなりたい。

 

それでも、

動物は大好きだからという絶妙な理由で、

競馬だけは続けちゃっているような

かっこわるいおやじにぼくはなりたい。

 

 

 

 

奈良県とかに行って、

入口にいある大きな金剛力士像について、

子供に教えてあげたりして。

2体の像が、口を開けているのと閉まっている姿を指さして、

阿吽の呼吸という言葉を説明するのだ。 

「言葉を交わさなくても、分かり合っていることを阿吽の呼吸っていうんだ」

って、うんちくを披露したいなぁ。

 


「パパとママみたいだね」って娘が言うから.

なんでか聞いてみたら、

「だって、いつもこわい顔してるけど2人は仲良しなんでしょ?」

と、ドキっとするようなこと言われたりして。

子供もよく自分たちのことを見ているんだなぁと、

しみじみうれしくなってしまって、

その日、いちばんはしゃいでいるようなおやじにぼくはなりたい。

 

 

 


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さて、明日もスリラーを、

セミのオーケストラに聴かせてもらいながら、

マイケルの物真似でもして、

汗だくで自転車をこいでいこかなぁ。

 

夏休みがほしいなぁ。