得も損もない言葉たち。

日常をひとます、休まず。

あなたのクスッとをください。

P.S. ぼくも、転職サイトに登録しました。

 

銀行の内定が出るのは、異常なほどに早い。

 

どれくらい早いかって、

ぼくが就職活動をしていたときは4月が面接解禁で、

1日から3日間つづけて面接をして内定をとった知人もいる。

 

ぼくは、内定辞退した人の空枠にすべりこんだので、

採用通知は10月にもらった。

 

周りの同期が、銀行員になることを決めた6か月後に、

ようやく内定をもらったことになる。

 

 

だから、はじめて研修に行ったときには、

みんなはすごく仲良くて、

「誰やこいつ」って感じの目でみられている気がした。

 

友だちは当然いない。

 

そもそも、やりたいことじゃないから、

どうしてこんなに周りがキラキラと研修を受けているのかも分からない。

 

休憩時間は、ひたすらに本を読んでいたことを覚えている。

 

 

お泊り研修とかもあったけど、

もう本当にはやくはやく家に帰りたくてしかたなかった。

 

 

同期は大切にしたほうがいいよ

と上司はぼくに言う。

 

きっと、入社当時のぼくなら、

「は?ともだちがいないんだよ、こっちは」

と叫んでしまうほどの心持ちだった気がする。

 

 

3回目の研修ぐらいで、

とつぜん声をかけられて、

「あっ!人違いやったごめん!」

と言われて立ち去られたこともあったんだから仕方ない。

 

 

だけど、

いまは確かに同期は大切だと思う。

 

正しく言うと、

気をつかわなくていい同期は大切だと思う。

 

なんて書きながら、

同期の子と飲みにいってしっぽり仕事の話をするなんてことをしたことが無い。

 

仕事の話をするのが嫌で嫌で、もうどうしようもないのだ。

 

んなことで、

研修の休み時間は本を読んでるし、

みんながお札を数えている時間に、

コピーライター養成講座のキャッチコピーを書いていた。

 

 

朝のスピーチみたいなのが、何日かに一回まわってきたりした。

 

 

ブログに書いてるような、

どうでもいいようなつぶやきを喋るようにして、

なんとなくそれはそれで楽しんでいた。

 

たしか、

配属が憂鬱すぎて上司に怒られる夢をみたことを、

けっこうな偉い人がいた場所で話した気がする。

 

 

 

なのに、

 

そんなぼくに、

声をかけてくれる人が何人かいた。

 

ありがたい。

ありがたいのに、すぐにひとりになりたくて、本を読む。

でも、心の中ではすごく嬉しかった。

だからと言って、仕事の愚痴を吐くことはしたくもないけど。

 

 

その結果、ぼくは相手の話を聞かせてもらう立場になった。

 

 

支店に配属されてからも、

何回も研修があったから、

何回も休憩があって、

そのたびに本を読んで、

ともだちの愚痴をきいた。

 

 

 

キラキラしていた同期の目が、

どんどん曇っていく姿は、

あまり見たくなかった。

 

ぼくは、もとから曇っていたから、

ぎゃくに追いこされたようで悔しい気持ちもあった。

でも、それ以上に、

入社して頑張ろうと意気込んでいた光みたいなのが、

どんどん消えていくのを見ているのは寂しさがあった。

 

 

きっと、みんなは最初に仕事の話をしすぎたんじゃないだろうか。

 

ひとりで本を読んでいるぼくに、

ボソッと「しんどいなぁ」とこぼす人がいた。

 

 

「そりゃ、くそダルいもんやって仕事なんてさ」

 

はげますことなんて、

ぼくにはできないから、

ひたすら話を聞いた。

 

どんなに話を聞いても最後は、

 

「そりゃ、くそダルいもんやって仕事なんてさ」

で終わった。

 

 

気づいたら、夢の話をしたりしてた。

 

どんなことを将来したいって思っているのか。

もちろん、銀行でじゃなくて、

もっと大きな世界での話をした。

 

 

ぼくは、やりたいことが決まっていた。

コピーライターになりたいから講座にも通っていたし、

コンペにも応募しないといけないから銀行のことなんて考えている暇がない。

 

 

でも、今の仕事がすべてでやってきた同期は、

目の前にあるしんどさこそが全て。

 

そこから、どうやって逃げたらいいかが分からなかったみたいだった。

 

 

研修にいくたびに、

何人かの子とそんな話をしていた。

 

その子がいない間は、本を読んでいた。

 

 

 

毎月、社内報がまわってくる。

その最後の頁のすみに、

退職者のリストが出ている。

 

 

知っている名前が出てくる。

 

知っているだけの名前が出てくると、

あぁ辞めたんだぁって思って終わり。

 

だけど、

夢を知っている名前が出てくると、

どうしようもなく寂しい気持ちになる。

 

 

研修の時に、

どうしようもなく陰気なぼくに話しかけてくれた同期の子が、

悩んで悩んで選んだ道を、

ぼくは応援しないといけないはず。

 

 

連絡先さえ交換していないのに、

その人の夢を知っていたりするわけで。

そうなると、もう二度と会うことのない別れでもあって。

 

 

あと、

 

「先を、越しやがって」

と、悔しい気持ちがあったりするわけです。

 

 

 

一生懸命すすめすすめ。

 

 

ムリに連絡先を探したりしなくて、

道で出くわしたりしないかなって思ったりして。

 

 

ただひとつ、

曇ってしまった2つの目玉が、

きもちよく晴れわたるような道。

 

その道を、進んでいることを祈るばかりなのです。

 

 

 

 

あっ、どうしよう。

ぼくが、すごく仕事してない人みたいに聞こえるな。

 

ま、事実だから仕方ない。

 

 

「そりゃ、くそダルいもんやって仕事なんてさ」

 

 

 

 

明日は、金曜日。

がんばるぞ、がんばるぞ!

できないノルマを撫でるのだ。

 

 

 

 

P.S. ぼくも、転職サイトに登録しました。

 

 

達者でね。