得も損もない言葉たち。

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日常をひとます、休まず。

あなたのクスッとをください。

にんげんの息子と、しっぽふる息子。

 

家族は、たった20年ちょっとで別々に暮らす。

 

はやい人だと、大学に入学したと同時に、

地元を離れて、就職をして結婚をして、

実家はあるけど両親と一緒に暮らすことは無くなる。

80年ほどの人生で、家族といる時間は、ほんの一瞬だ。

 

 

保険商品を売るとき、かならず家族構成を聞く。

 

お子様は何人か。同居しているのか。

いまでもたまに、帰ってきてくれるのか。

いろんなお話を聞いて、

どんな運用をするのか、

誰に遺したいのかをヒアリングする。

 

医療保険も扱う。

今後の人生で起こりうる病気の話をするのは、

なんとなぁく気が重い。

自分もそうなんだよな、なんて思いながら話をしていたりする。

 

とにかく、保険の話をするときは、

家族のこと、これからの人生のことをしっかり聞く。

 

 

「ご家族は?」と聞くと、

ひざの上でのんびりしている愛犬をなでる人がいます。

「お子様は?」と聞くと、

窓際でジーッとぼくをみる愛猫を呼ぶ人がいます。

 

その人たちにとっての家族は、

毎日をいっしょにすごしてくれる犬であり猫である。

 

 

ペット保険という商品がある。

動物病院の治療費負担をやわらげてくれる商品だ。

はじめて聞いたとき、そんな商品売れるのかなぁって疑問を抱いていた。

たぶん、ぼくはペットにかける愛情と、子どもにかける愛情を、

おなじものとして捉えていなかったからだ。

 

 

営業にまわっていると、

本当にたくさんの家族を紹介してもらえる。

人懐っこい息子さんや、ほっぺたをなめてくる娘さん、

机のしたでぼくの足のあいだをグルグルまわるお姉ちゃんや、

ジーッと怪しんだ目で見つめてくるお兄ちゃん。

 

どの子も、しっかりとお母さん、お父さんの愛情をうけて育っている。

 

 

うちのばあちゃんちにも、犬がいる。

いや、レンという息子がいる。

 

 

うちの父は、ばあちゃんの息子だけど、

この際、ややこしいのでうちの父はうちの父で、

ばあちゃんちの犬が息子で…あぁ、こんがらがってきた。

 

 

 

レンは、父親の兄弟であるおじさんの飼っている犬で、

週に3度、ばあちゃんちに遊びに来る。

 

朝5時半、仕事へ向かうおじさんが、

レンを連れて家へやってくる。

ぼくもたまに、ばあちゃんちから出勤するので、

その時間はもう起きているのだけれど。

それにしても、ばあちゃんも、じいさんも早起きだ。

仕事もしていないから、ゆっくり寝たらいいのに、

早々に目をさましてレンを待つ。

おやつを用意して、散歩の準備をしている。

 

ぼくの朝ごはんよりさきに、レンの朝ごはんだ。

 

うかうかしていると、特等席のソファまで取られかねない。

ぼくと、レンとどっちがかわいいのよ?って聞いたら、

たぶん答えが出ずに出勤の時間をむかえるにちがいない。

 

 

24歳になって、お風呂で大声でドリカムを歌う孫と、

しっぽをふって膝にのっかってくるトイプードル、

いい勝負しているはずだ。

 

 

 

明日、もしレンが病気になったら、

ふたりはどんな顔をするだろうか。

 

入院がつづいて、

もう家に来なくなったらどうするんだろうか。

 

犬の寿命は、人間よりも短い。

それは、どうしようもない事実だ。

ぼくが家族と一緒にいる時間は22年あったけど、

レンとぼくたちが一緒にいる時間はどれだけあるのだろう。

 

 

ペット保険を売るとき、

治療費がばかにならないから入っておきましょう

って言い方はしたくない。

 

 

 

 

 

大切な息子さん、娘さんが、

お客様にくれるたくさんの元気にたいして

なにがしてあげられるか、

その一つとしてペット保険があります。

 

 

 

 

先日、母親に心配された。

 

「あんた、ちゃんと保険とか入ってるんか?」

 

「ちゃんと、はろてるわ〜」

 

どうやら、

当然のことだけど、にんげんの息子は、

独り立ちするとしっかり自分で保険料を納めないといけないらしい。

 


 

 

 

はぁ~

ぼくも日なたでボーっとして、

とつぜんやってきた銀行員にしっぽふって遊んでもらいたいなぁ。

 


ま、それはそれで、

たいへんなんだろうけど。