そこに触れておく。こと
そこに触れておく
オーシャンズ13のはじめにマットデイモンが、ブラッドピットに対して、
前作に登場した彼女について尋ねるシーンがある。
「彼女はどうした?」
「関係無いね」
たった一言のやりとりなんだけど。
このやりとりがあるからこそ、そのあとのシーンで彼女は今作に関係の無い存在になる。
ということに、最近やっと気付いた。
というのも、ドラえもんのコミックを読んでたときに、
おなじようなシーンが登場したんです。
のび太が、その学力からは到底生まれない疑問をドラえもんにぶつける5コマ。
雲を固めることについて、読者が抱く違和感。
「その説明は長くなるからやめておこう」
「なるほど」
たった5コマで、その後ずっと付きまとうである疑問を吹き飛ばしてしまう。
本作とは一切関係ないことにしてしまう。
たった数秒のシーンに製作者の意図があって、すごく好き。
誰かと何かを話すときに、
引っかかってほしくないことは先に言う。
「そこに触れておく」という手法は、
コミュニケーションに欠かせないものだと気づきました。