たべざかり
衣替え、全国ではじまる。
あまり、ファッションへの興味関心は深くない。
季節が変わるたびに、どこかへ閉まった服を引っぱりだして、
その数か月を過ごすワケです。
で、季節も冬へ近づき、あったかい物がほしくなる気温。
自販機で買うものは、
晩ごはんは、
つめたいうどんから、あったかいそばになる。
もちろん、
つめたいそばから、あったかいうどんにもなる。
朝起きて、もれる言葉は、
相変わらず「しんどいぃ」なのは変わらないけれど。
空に打ち上がる花火をながめていた目は、
街で光るイルミネーションに向けられる。
そして、ぼくも今日タンスの引き出しを開けたわけです。
「たしか、去年買ったニットがあったはずだ!」
みつけて、ひっぱり出す。
?
指が、とおる。
指が、ニットの外側から中に入る。
そんな穴が3つ4つ。
むしくい
それは、はじめての経験。
いままで、自分の服が虫に食われたことなんて一回もなかった。
それが、去年すこしばかり、高い服を買ってタンスに入れた途端、
穴が3つ4つ。
そりゃそうだ。
考えてみりゃ当然だ。
虫からすると、やっすい服しか入ってこない家に、
突然現れたご馳走だ。
食べ盛りの年頃、
家に帰ってきて、リビングにピザが並んでいたら、ぼくは我慢できただろうか。
虫もそうなんだろう。
せめるつもりは全然ない。
おいしくいただいてもらえたのなら、それも受け入れよう。
母は、ぼくの目の届かないところに、
もらってきたお菓子を隠した。
これからは、良い服を買ったら、
ハンガーにかけて見えるところにかけよう。
で、タンスの虫の目が届かない場所に置いとこう。
・・・ゴン買おう。