得も損もない言葉たち。

日常をひとます、休まず。

あなたのクスッとをください。

普通大辞典【スモールSF物語】

ある星で、人が平等に、平和に生きるために、

世界普通大辞典が作成された。

 

あらゆることの(普通)が書かれた本だ。

 

この本に書かれた普通から逸脱するものは、

抹消されることになった。

 

もちろん、犯罪や差別なんてものはなくなった。

普通人の世界に、完全な平和が訪れた。

 

 

映画館では政府推奨の、

普通印の感動、爆笑映画がロードショーされている。

おなじものを見て、笑い、泣く。

 

レストランでは、

普通印の苦いピーマン、甘い蜂蜜といった食べ物が出される。

 

普通人は、みんなが一緒の反応をする。

なぜなら、普通じゃない人間は抹消されてしまうからだ。

 

 

話は突然ではあるが、

ある日、その星は空から降ってきた、大きな隕石で抹消されてしまったのである。

 

理由は、かんたんなものだった。

 

宇宙普通辞典によると、

同じ考えの生物ばかりの星は、

普通じゃないかららしい。