ぼくの通った教習所での日々をすこし。
自動車の運転免許をお持ちですか?
ぼくは、持っています。
でも、一回も免許を取ってから運転をしたことはありません。俗に言う、ペーパードライバーというやつです。
今日は、ぼくが感じた教習所の魅力や、楽しみ方。
そして、笑ってしまったことを書きます。
運転が楽しいというより、別の楽しさを見つけていた気がします。
【教官との巡り合せは、運命の女神さまに祈りましょう。】
免許の取得のため、多くの人は教習所へ通います。
自動車の動かし方、ルールの勉強や、実際に運転の練習、
教官をとなりに乗せて運転します。
ここで、久しぶりに大人に怒られることを大学生は経験するのです。
嫌な教官や、やさしい教官。
まるで、担任の先生が誰かのようなドキドキを毎回味わうのです。
学園天国の席替えみたいな、心躍るものでは決してありません。
毎度、同じ厳しい教官がつづくと、ぼくは運命の女神さまを呪うのです。
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【路上教習は、ロマンスの神様に祈りましょう。】
路上教習というものが、教習所には存在します。
3人ぐらいの生徒と、1人の教官が一台に乗り込みます。
そして、街中を走りまわり、順番に生徒が交代するという授業です。
ぼくの通っていた教習所は、ほとんどが中年男性の教官でした。
つまり、毎回、機嫌の悪いおじさんとドライブをするということです。
でも、路上教習は違います。おなじ生徒が乗り込むからです。
時には、お隣に大学生ぐらいの女の子がいたりします。
まぁ、何があるわけでもないですが、
きっと、その人の運転で初めてドライブしたのはあなたですよ。
「あなたの初めてのドライブの相手は私です。」
恋がはじまる前に、こんなことが言えてしまいます。
相手が、週休二日しかもフレックスかの保証はしませんが。
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【教習所で、留学気分♪】
場所によっては、海外の人が通っている教習所もあります。
ぼくの通っていた教習所は、中国人の方がたくさん通っていました。
しかも、ごつい男性ばかり。
先ほどのお話で、ロマンスの神様が出てきましたが、ぼくにはあまり願いを叶えてくれませんでした。
つまり、2人ペア等の授業は、ほとんどこの人達だったのです。
どれが誰かを探すことから始まります。
人命救助の実技が教習所にはあるのですが、心肺蘇生法のシュミレーションをします。
心臓マッサージは、人形を使ってするのですが、
幼児の心肺蘇生法は実際にペアで行うのです。
これを、大人同士でやるのです。
ぼくのペアは、リュウさん。
「ほんとうに強く叩かないでいいですからねぇ」と、先生が言います。
しかし、伝わっていないリュウさん、
何も詰まっていないぼくの背中を思い切りたたきます。
うっ うっ うっ
異物というより、汚物が出そうな状況。
苦しみながら、ぼくは次の授業へ向かっていました。
しかし、
ぼくとリュウさんの戦いはこれだけではありませんでした。
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【リュウさんの路上強襲】
なんだかんだで、毎日が過ぎていきます。
厳しかった教官も、余裕が出てくると世間話をできる関係になったりもしてきます。
すこし、おじさんとのドライブも楽しくなります。
その頃には、卒業も近いです。
ぼくも、もうすぐ卒業が近づき、
路上教習もあと数回になっていました。
それでも、やっぱり外を走るのは緊張します。
集中して、気を抜かず、周りを見渡します。
ぼくの運転で路上を走る。
隣には、いつもの教官。後ろには、知らないオバさんと、いつものリュウさん。
ぼくの通っていた教習所の周りは、海外の人がたくさん住んでいる場所でした。
日本人よりも、海外の人のほうがすれ違うぐらいに。
ぼくの運転の時、リュウさんは教官ずっと話しかけるのです。
「今日は、あついねぇ。おなかが空いたねぇ」
静かには、してくれません。
集中力を吸い取るように、話し続けます。
教官も返します。
「リュウさんは、なんの料理が好きなの」
「う~ん、ハンバーガーかなぁ」
こんなやりとりを漫才のようにずっとしています。
そんな時、ぼくたちの車の前を、たくさんのアフリカ系の人がとおりました。
その瞬間、リュウさんが叫びました。
「うわぁ~、外人がいっぱいだぁ~」
「リュウさん、あんたも外人だよ!」
教官のするどいツッコミは、
ぼくが一時停止を忘れていた時よりも早く感じていました。
集中、集中。
リュウさんは、そのあと少し静かになりました。
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教習所には、色んな楽しみ方があります。
今日、ここに記したのは、ほんの一部にすぎません。
卒業すれば、色んなところへ行けます。
車に乗ってどこへ行こう、誰を乗せよう。
すこし、面白い出会いもあるのかもしれません。
何かの参考になればと思います。