本音と、ファンタジーのあいだで。
大学生のころに、アルバイトを精肉店でやっていました。
当時、テナントの入っていた百貨店では、
ディズニーフェアをやっていました。
可愛いディズニーの音楽が店内に響き渡る。
美女と野獣や、ピーターパン、リトルマーメイド。
アンダー・ザ・シー
海で自由にしていよう♪
陸なんて嫌さ♪
というような意味の歌です。
テンポが心地いい。
しかし、
お隣の魚屋で、鮪の解体ショーがはじまる。人々はジャンケンをして鮪の肉をとりあう。
うーむ。なんだかおかしい。
日付はかわり、トムとジェリー展が百貨店ではじまりました。
また音楽が流れはじめます。もちろん、トムとジェリーの歌。
ネズミだって生き物さ♪
ネコだって生き物さ♪
すごい好きなアニメーションで、耳が癒される。
……休憩に行こうとした僕の目の前には、
地下にはこんなポスターが貼ってありました。
僕たちは、現実を生きている。
そして、ファンタジーを生きている。
ふたつの世界が交差したとき、
すこしだけ不思議な感覚になる。
気にしていたら、生きていけないのかもしれない。 だけど、生き物に優しくなれたり、食べ物に感謝したり、 当たり前のことをもっと大切にするためには、 すこしでもファンタジーという夢を泳いだほうがいいのかもしれない。